セッション情報 一般演題(公募)

タイトル 117:

ERCP時に胆道から樹状胆栓を排出した総胆管結石症の1例

演者 千住 猛士(飯塚病院肝臓内科)
共同演者 森田 祐輔(飯塚病院肝臓内科), 矢田 雅佳(飯塚病院肝臓内科), 本村 健太(飯塚病院肝臓内科), 小柳 年正(飯塚病院肝臓内科), 福田 慎一郎(飯塚病院消化器内科), 本村 廉明(飯塚病院消化器内科), 増本 陽秀(飯塚病院肝臓内科)
抄録 症例は68歳男性。16歳時に虫垂切除術、66歳時に急性心筋梗塞による冠動脈ステント留置術施行の既往があり、高血圧、糖尿病、陳旧性心筋梗塞にて近医で加療を受けていた。2013年1月より心窩部の不快感と疼痛が持続し、症状が悪化したため近医を受診した。腹部超音波検査で胆嚢腫大を指摘され、翌日当科を受診し急性胆嚢炎の診断で入院した。入院時、貧血、黄疸はなく、胸部に異常所見を認めなかった。腹部は平坦、軟で心窩部に圧痛を認め、肝脾を触知しなかった。血液検査所見はWBC 7,970 /μL、Hb 14.9 g/dL、Plt 25.9万 /μL、TP 8.0 g/dL、Alb 3.9 g/dL、T-Bil 2.2 mg/dL、AST 17 IU/L、ALT 20 IU/L、γ-GTP 79 IU/L、ALP 213 IU/L、ChE 304 IU/L、CRP 7.67 mg/dLであった。抗凝固剤内服中であったため緊急胆嚢ドレナージは施行せず、絶食および抗生剤投与にて保存的に加療した。入院後炎症所見は次第に改善したが、血中肝胆道系酵素値が徐々に上昇した。DIC-CTで総胆管下部に結石像を認めたため、採石を目的として入院第7病日にERCPを施行した。乳頭中切開後にバスケットカテーテルおよびバルーンカテーテルにて結石を除去し、その後リトリーバルバルーンにて総胆管を走査したところ、長さ約4 cmの樹状の異物を排出した。成分分析の結果、樹状物質はビリルビンカルシウム98%以上の組成であった。胆道から樹状胆栓を排出することは稀であり、文献的考察を加え報告する。
索引用語 樹状胆栓, ビリルビンカルシウム