セッション情報 | 一般演題(公募) |
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タイトル | 175:Epithelial cystを伴い診断に苦慮した膵内副脾の1例 |
演者 | 加藤 新(沖縄県立中部病院 消化器内科) |
共同演者 | 知念 健司(沖縄県立中部病院 消化器内科), 菊地 馨(沖縄県立中部病院 消化器内科), 島袋 容司樹(沖縄県立中部病院 消化器内科), 新城 雅行(沖縄県立中部病院 消化器内科), 久保田 富秋(沖縄県立中部病院 消化器内科), 山田 航希(沖縄県立中部病院 消化器内科), 本部 卓也(沖縄県立中部病院 消化器内科), 松林 万葉(沖縄県立中部病院 消化器内科), 座喜味 盛哉(沖縄県立中部病院 消化器内科), 村上 隆啓(沖縄県立中部病院 外科), 国島 文史(沖縄県立中部病院 病理部) |
抄録 | 【背景】膵内副脾にepithelial cystを伴う症例の報告は稀である。その形態から他のmalignant potentialを有する腫瘍との鑑別が困難であることが多い。充実腫瘍の嚢胞変性を疑わせる画像所見を呈し診断に苦慮した、epithelial cystを伴った膵内副脾の1例を経験したので報告する。【症例】33歳女性。検診の体外式エコーで膵尾部腫瘤を指摘され、精査目的に紹介となった。血液検査は腫瘍マーカーを含め異常所見なし。腹部ダイナミックCTでは膵尾部腫瘤は径3cm、辺縁整で充実成分の内部に嚢胞様の変化を認めた。充実成分は早期相より造影効果を有し、嚢胞成分は後期相でわずかに造影効果を認めた。MRIでは充実成分はT1WIでややlow、T2WIでiso、嚢胞成分はT1WIでiso、T2WIでややhighであった。明らかな拡散の低下は認めなかった。EUS上、腫瘤は充実腫瘍内部に嚢胞構造を伴う20mm大の均一なlow echoic massであり、充実部の辺縁に石灰化を認めた。充実腫瘍の嚢胞変性が疑われることや一部石灰化と思われる所見があること、造影CT所見、若年女性の膵尾部病変であることなどから、solid pseudopapillary neoplasm(SPN)や嚢胞変性を伴ったneuro endocrine tumorを疑い腹腔鏡下膵尾部切除術を施行した。切除標本では膵尾部に1.5cm大の辺縁境界明瞭な腫瘤を認め、内部に2~5層程度の薄い上皮成分に覆われたmulti cystic lesionを認めた。充実部は副脾組織であった。Cystic lesion内部に皮脂や角化物、毛髪などは認めなかった。Cystは非角化上皮に被覆されており、基底側の細胞はCK 5/6(+)、CK7(-)、Muscle actin(-)と扁平上皮系の形質であったが、最表層の細胞はCK5/6(-)、CK7(+)、CK20(-)と副脾内の上皮性嚢胞として稀な像を呈していた。【考案】Epithelial cystを伴った膵内副脾を適切に術前診断しえた報告は極めて少なく、SPNやMCNなどmalignant potentialを有する他の腫瘍を疑い切除に至った症例がほとんどである。当症例は充実腫瘍の嚢胞変性を疑わせる画像所見などから、SPNやNETを疑い切除に至った。同様症例の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 膵内副脾, Epithelial cyst |