セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研42:IPMNの経過観察中に発見された十二指腸乳頭部カルチノイド腫瘍の一例 |
演者 | 馬場 由紀子(公益社団法人鹿児島共済会南風病院) |
共同演者 | 仁王 辰幸(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 飯福 沙織(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 社本 多恵(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 豊田 真理(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 岩木 宏介(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 西俣 伸亮(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 政 幸一郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 田代 光太郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 島岡 俊治(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 松田 彰郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 新原 亨(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 西俣 嘉人(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 堀 雅英(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 西俣 寛人(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 田中 貞夫(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 益満 幸一郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 北薗 正樹(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 有留 邦明(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 末永 豊邦(公益社団法人鹿児島共済会南風病院), 塩田 健(医療法人起生会林内科胃腸科病院) |
抄録 | 症例は60歳代女性。2009年3月、前医での単純CTで膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を指摘され、以後同院外来にて経過観察されていた。2010年4月の上部消化管内視鏡検査では十二指腸乳頭部の開口部周囲にわずかに発赤と粘膜不整を認めたが、生検で異常所見は指摘されなかった。2011年9月のfollow upで同部は前回の所見に加えやや隆起していた。生検でカルチノイド腫瘍と診断され、精査加療目的で当院へ紹介となった。当院で上部消化管内視鏡検査の再検を施行したところ、Vater乳頭肛門側にやや黄色みを帯びた不整な粘膜が台状に挙上していた。超音波内視鏡では15×12mm大の低エコー像として描出され、深部は一部筋層との境界が不明瞭であった。以上より手術適応と判断し、リンパ節郭清を伴う亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。切除標本の割面像では腫瘍はOddi筋層部に位置し、大きさは20mm大であった。組織学的には、小型円形核と微細な好酸性顆粒状をもつ細胞が充実性胞巣を形成していた。その他、脈管侵襲は陰性で核異型も目立たず、核分裂像は0-1/10HPF、Ki-67指数<2%であった。免疫組織化学染色ではSynaptophysinが強陽性であり、最終病理診断は十二指腸乳頭部カルチノイド腫瘍(NET G1, WHO)となった。消化管カルチノイド腫瘍は直腸、胃に好発し、十二指腸に発生するものは本邦では13.4%とされており、乳頭部はそのうちの25.2%である。十二指腸乳頭部のカルチノイド腫瘍においては特異的な症状はないものの、胆道閉塞による腹痛、黄疸出現といった有症状例も散見される。また、消化管カルチノイド腫瘍は比較的早期からリンパ節転移を伴う症例もあるとされているため、明確な治療方針は確立していない。今回われわれは比較的稀である十二指腸乳頭部カルチノイド腫瘍の一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 十二指腸乳頭部カルチノイド腫瘍, 十二指腸乳頭部腫瘍 |