セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専58:

黄色肉芽腫性胆嚢炎に胆嚢仮性動脈瘤破裂を合併した1例

演者 草永 真志(産業医科大学 第三内科)
共同演者 田口 雅史(産業医科大学 第三内科), 鬼塚 良(産業医科大学 第三内科), 千手 倫夫(産業医科大学 第三内科), 柴田 道彦(産業医科大学 第三内科), 日浦 政明(産業医科大学 第三内科), 安部 慎太郎(産業医科大学 第三内科), 原田 大(産業医科大学 第三内科), 古賀 敦大(産業医科大学 第一外科), 日暮 愛一郎(産業医科大学 第一外科), 山口 幸二(産業医科大学 第一外科)
抄録 【症例】76歳、女性【主訴】心窩部痛【現病歴】200x年7月腰部痛を自覚していたが市販薬を内服し様子を見ていた。同8月突然、激しい心窩部痛が出現し当院救急搬送となった。単純CTにて胆嚢壁の不整な肥厚、胆嚢周囲の脂肪織混濁を認め、炎症反応も含め胆嚢炎と診断し同日当科入院となった。入院時心窩部に圧痛を認め、AST 157IU/l、ALT 122 IU/l、LDH 336 IU/l、ALP 758 IU/lと肝胆道系酵素の上昇及び、CRP 5.10 mg/dl、WBC 15700 /μlと炎症反応上昇を認め、Hbは11.2 g/dlであった。絶食、補液ならびに抗生剤投与にて加療とした。胆石を伴う胆嚢壁の限局性肥厚を認めることから胆嚢癌や黄色性肉芽腫性胆嚢炎等も考え、後日造影CTを施行したところ、胆嚢壁内に7mm大の仮性動脈瘤を認め、また肝内胆管、総胆管、十二指腸に出血を認めた。上部消化管内視鏡検査にてVater乳頭に血餅の付着を認め、胆嚢動脈瘤破裂による胆道出血と診断した。経過中、Hb 9.2 g/dlと軽度の貧血の進行を認め、胆道出血によるものと判断し動脈塞栓術も考慮したが胆嚢炎増悪のリスク及び、画像上から胆嚢癌や黄色肉芽腫性胆嚢炎の合併も否定はできないため開腹での胆嚢摘出術を施行した。術後病理診断は、黄色肉芽腫性胆嚢炎及び胆嚢動脈瘤であり悪性所見は認めなかった。 今回我々は黄色肉芽腫性胆嚢炎に胆嚢仮性動脈瘤破裂を合併し、胆道内出血した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆嚢仮性動脈瘤, 黄色肉芽腫性胆嚢炎