セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専68:

腎細胞癌治療後、長期経過にて膵転移した2症例

演者 荻野 学芳(産業医科大学病院肝胆膵消化管内科)
共同演者 田口 雅史(産業医科大学病院肝胆膵消化管内科), 渡邊 龍之(産業医科大学病院肝胆膵消化管内科), 山本 光勝(産業医科大学病院肝胆膵消化管内科), 原田 大(産業医科大学病院肝胆膵消化管内科)
抄録 症例1は67歳女性で、1990年に左腎細胞癌にて左腎摘出後、IFN治療を施行された。以後、健診などでも異常を指摘されたことはなかったが、2012年11月下旬より心窩部痛を自覚し、11月29日に近医を受診したところ、腹部エコーにて膵に30mm大の腫瘍を認め当科紹介となった。造影CTでは膵鉤部に30mm大の嚢胞の集簇を認めた。それ以外に膵体部にも径10mm大の腫瘍を2つ認め、それらは動脈相で濃染し平衡相でwash outされる境界明瞭な腫瘤影であった。膵体部腫瘍に対してEUS-FNAを施行し、腎細胞癌の膵転移(clear cell carcinoma)と診断した。またERCPでは乳頭部の開大と粘液貯留を認め、膵管擦過細胞診では豊富な粘液を有する高円柱上皮の乳頭状の集塊を認めたため膵鉤部腫瘍は、分枝膵管型IPMN と診断した。PET-CTで肺に多発する高集積を認め、CTでも多血性の結節であり、腎細胞癌の肺転移と考えられたため、全身化学療法(スニチニブ)を開始した。 症例2は66歳女性で、1993年に左乳癌と左腎細胞癌を指摘され当院にて乳癌に対して乳房切除とホルモン療法を、左腎細胞癌(clear cell carcinoma)に対して左腎摘出術が施行され、以後5年間のフォローアップで再発なく経過していた。2003年に胸部CTにて右肺に径10mm大の肺腫瘍を認め、当院胸部外科にて右上葉切除術が施行され、腎細胞癌の肺転移の診断であった。以後再発等は認めず近医にて定期的な画像検索を継続していたところ、2013年2月のCTで膵体尾部に径25mm台の腫瘤を認めたため当科紹介となった。造影CTでは、動脈相で濃染し実質相、平衡相でwashoutされて、被膜が遅延性に濃染されて描出された。EUS-FNAで腎細胞癌の膵転移の診断であり、当院外科にて膵体尾部切除を行う予定である。 症例1は腎細胞癌治療後23年、症例2は20年の長期を経て膵転移を認めた症例であり若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 転移性膵腫瘍, 腎細胞癌