セッション情報 一般演題(公募)

タイトル 154:

十二指腸副乳頭部に発生した神経内分泌腫瘍(カルチノイド)の一例

演者 佐々木 善浩(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科)
共同演者 古閑 千裕(熊本市立市民病院 消化器内科), 岩崎 智仁(熊本市立市民病院 消化器内科), 市原 明比古(熊本市立市民病院 消化器内科), 三原 通晴(熊本市立市民病院 消化器内科), 竹川 博之(熊本市立市民病院 消化器内科), 横山 幸生(熊本市立市民病院 外科), 豊住 康夫(熊本市立市民病院 臨床病理科), 有馬 信之(熊本市立市民病院 臨床病理科)
抄録 【症例】60歳男性
【既往歴・家族歴】高血圧。それ以外は特記すべきことなし
【現病歴】心窩部痛、下痢等認め、当院受診となり、精査のため上部消化管内視鏡検査施行した。食道、胃、十二指腸球部、ファーター乳頭部には明らかな異常はなかったが、十二指腸副乳頭部に10mmの隆起性病変を認め、生検施行した。病理組織では細胞質が広く、核は小型円形で異型度が低く、大きさや形の揃った腫瘍細胞が包巣状に増殖し、免疫組織染色では、chromogranin A、synaptophysin 陽性であり、十二指腸副乳頭部に発生した神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine tumor: NET)と診断した。
胸腹部造影CT、EUS等施行し、副乳頭部に病変が限局していると考え、内視鏡的切除も選択の一つと考えたが、リンパ節等の脈管浸潤も完全に否定はできなかった。本人も最初から外科的加療を希望されたため、当院外科で加療となった。
【入院後経過】当院外科で、膵頭十二指腸切除施行した。術前診断と同様に神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine tumor、Stage I、T1、N0、H0、P0、M(-))の診断となり、経過良好で退院となった。
【考察】通常の上部消化管内視鏡検査で、十二指腸腫瘍が診断されるのは、0.05%と報告されている。十二指腸腫瘍の中でも神経内分泌腫瘍(カルチノイド)は2.9%と稀であり、その多くが乳頭部に発生するとされ、副乳頭部に発生するのはかなり稀である。今回、我々は十二指腸副乳頭部に発生し、完全に治癒切除できた副乳頭部神経内分泌腫瘍(カルチノイド)の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 神経内分泌腫瘍, 十二指腸副乳頭