セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専53:

有機溶剤暴露に起因すると考えられた急性肝炎の一例

演者 松林 万葉(沖縄県立中部病院 消化器内科)
共同演者 本部 卓也(沖縄県立中部病院 消化器内科), 加藤 新(沖縄県立中部病院 消化器内科), 山田  航希(沖縄県立中部病院 消化器内科), 知念 健司(沖縄県立中部病院 消化器内科), 久保田 富秋(沖縄県立中部病院 消化器内科), 島袋 容司樹(沖縄県立中部病院 消化器内科), 菊地 馨(沖縄県立中部病院 消化器内科)
抄録 症例: 29歳男性主訴: 上腹部痛・嘔吐・全身倦怠感家族歴: 特記事項なし生活歴: 8年前より土木業・防水加工に従事。来院1ヶ月前からアルコールはテキーラ10杯、日本酒6合程度を2,3日おきに摂取。喫煙1-2箱/日。薬剤の服用なし。 既往歴:これまで肝機能異常の指摘なし。輸血歴なし。手術歴なし。海外渡航歴なし。現病歴: 来院1週間前より眼球の黄染を自覚。来院2日前頃より全身倦怠感と嘔吐、心窩部痛が出現。心窩部痛の増悪あり当院救急室受診。入院時現症:血圧140/80mmHg, 脈拍80/分, 呼吸数20回/分, SpO2 97%(室内気), 体温36.5℃。眼球結膜の黄染あり。貧血なし。上腹部に軽度の圧痛あり。肝脾腫なし。神経学的異常所見なし。入院時検査成績:AST 9604/L,AST 5153IU/L, ALP419IU/L, LDH8489IU/L, T-bil 2.8mg/dl, D-bil 1.8mg/dl, PT 47%。腹部超音波検査・腹部CT検査:肝腫大や胆石、胆管の拡張は認めず。胆嚢の漿膜下浮腫を認めた。慢性肝障害や脂肪肝を示唆する所見を認めず。入院後経過:著明な肝機能障害・黄疸が認められたが、ウイルスなどの急性肝炎を示唆する所見は認めなかった。第1病日に経静脈的肝生検を施行。病理所見では肝細胞壊死が高度だが小葉内への炎症細胞浸潤は目立たず。門脈域や胆管に著変なし。単純壊死型の薬剤性肝炎が疑われた。仕事の作業内容に関する追加の病歴聴取で、屋内にてマスク着用せずに有機溶剤を使用していることが判明した。他疾患が除外され、病歴より有機溶剤暴露による急性肝炎を疑った。安静・栄養およびPSL1mg/kg/日を開始した。第2病日より肝機能は速やかに改善を認め、PSLは漸減、中止とし第8病日に退院となった。今回、有機溶剤暴露に起因すると思われた急性肝炎の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝炎, 有機溶剤