セッション情報 | 一般演題(公募) |
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タイトル | 106:溶血性尿毒症症候群に対して血漿交換療法が有効であった感染性腸炎の一例 |
演者 | 今村 祥子(長崎大学病院消化器内科) |
共同演者 | 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 妹尾 健正(長崎大学病院消化器内科), 塩田 純也(長崎大学病院消化器内科), 福田 浩子(長崎大学病院消化器内科), 卜部 繁俊(長崎大学病院消化器内科), 庄司 寛之(長崎大学病院消化器内科), 橋口 慶一(長崎大学病院消化器内科), 松島 加代子(長崎大学病院消化器内科), 山口 直之(長崎大学病院消化器内科), 大仁田 賢(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科) |
抄録 | 〈症例〉15歳、女性〈主訴〉腹痛〈既往歴〉アトピー性皮膚炎〈現病歴〉生来健康であった。201X年9月29日に焼き肉を摂取した。同年10月2日に腹痛、下痢症状あり、2日後に前医を受診し、乳酸菌製剤、抗生剤を処方されるも腹痛は改善されなかった。10月7日の再診時に血小板減少、LDH高値、腎機能障害を認めたため当院紹介となった。来院時、体温37.4℃と微熱を認めた。右下腹部に圧痛を認めたが、腹膜刺激徴候はみられなかった。血液検査では軽度の貧血(Hb 10.6g/dl)、血小板減少(Plt 7.9万/μ)、肝機能障害(AST 34IU/L,ALT 7IU/L)とLDHの上昇(LDH 909IU/L)、腎機能障害(BUN 13mg/dl,Cr 1.23mg/dl)を認めた。腹部CT所見では、上行結腸から横行結腸にかけて強い壁肥厚とその周囲に液体貯留もみられた。病歴、検査、画像所見から感染性腸炎に合併した溶血性尿毒症症候群(HUS)を疑った。凝固系の異常も認めたことからDICの合併も否定できず、ガベキサートメシル酸塩、抗生剤投与を開始した。入院2日目には腹痛は軽減傾向にあったが血小板数の低下(血小板数2.7万/μ)及び腎機能障害(BUN 24mg/dl,Cr 2.68mg/dl)は増悪を認めた。前医の便培養,当院で提出された血液検査でのベロ毒素,O-157は全て陰性であり、原因菌の特定はできなかったが、意識障害もみられず臨床経過からHUSと判断し、入院3日目から血漿交換を開始した。さらに、その直後から乏尿となり、利尿剤の持続投与も開始した。血漿交換開始後、血小板減少と腎機能の改善を認めたため5日間の治療で終了した。経過良好のため入院15日目に退院となった。〈まとめ〉HUSにおける血漿交換の有用性については、いまだ確立されてはいないものの、有効であった報告が増加してきている。本症例においても血漿交換が症状と検査値の改善に有用であったため、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 溶血性尿毒症症候群, 血漿交換 |