セッション情報 | 特別企画「若手臨床医による消化器疾患の病態ならびに治療に関する基礎研究」 |
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タイトル | SP-01:動物腸炎モデルにおいて白血球除去療法の作用機序はCalcitonin Gene-Related Peptideに依存している |
演者 | 山崎 博(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
共同演者 | 光山 慶一(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 小林 哲平(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 桑木 光太郎(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 長山 幸路(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 吉岡 慎一郎(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 竹田津 英稔(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
抄録 | 【目的】白血球除去療法(LCAP)の作用機序について不明な点が多い。我々はデキストラン硫酸(DSS)による急性大腸炎ラットモデルにLCAPを施行し、LCAPがカルシトニン遺伝子関連ペプチド (calcitonin gene-related peptide ; CGRP)を誘導することで大腸粘膜血流を改善させることを報告した(Dig Dis Sci. 2010;55:596)。今回、LCAPの治療効果発現におけるCGRPの意義を検討した。【方法】(1)HLA-B27 transgenic ratに週1回計3回LCAPを施行し、臨床スコア、内視鏡スコア、骨髄細胞動員、腸管粘膜血流をShamカラム群と比較した。CGRPとその受容体であるRAMP1、CRLRの組織中mRNA発現をreal time-PCR法により測定した。LCAP施行時にCGRP拮抗剤(CGRP8-37)を経静脈投与しLCAPの効果に及ぼす影響を検討した。(2)DSS大腸炎ラットにCGRPを7日間経静脈投与し、臨床スコア、内視鏡スコア、骨髄細胞動員、腸管粘膜血流の変化をcontrol群と比較した。【成績】(1) HLA-B27 transgenic ratにLCAPを施行すると、Sham群に比べ臨床スコア(P = 0.049)、内視鏡スコア(P = 0.034)、骨髄細胞の誘導(P = 0.032)、腸粘膜血流の改善(P = 0.015)、CGRP mRNA発現の増加(P = 0.029)を認めた。RAMP1、CRLR mRNA発現には変化を認めなかった。LCAPの作用はCGRP拮抗剤の前投与によって抑制された。(2)DSS大腸炎モデルにCGRPを投与すると、Control群に比べ臨床スコアの改善(P = 0.009)、内視鏡スコアの改善(P = 0.009)、骨髄細胞の誘導(P = 0.004)、腸粘膜血流の改善(P = 0.032)を認めた。【結論】LCAPの組織修復作用および抗炎症作用は、CGRPの誘導に依存していることが示唆された。 |
索引用語 | 炎症性腸疾患, 治療 |