セッション情報 |
研修医発表(卒後2年迄)
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タイトル |
研49:血漿交換が著効した重症型アルコール性肝炎の1例
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演者 |
深田 理沙(国立病院機構熊本医療センター消化器内科) |
共同演者 |
古閑 睦夫(国立病院機構熊本医療センター消化器内科), 田島 知明(国立病院機構熊本医療センター消化器内科), 小林 起秋(国立病院機構熊本医療センター消化器内科), 尾上 公浩(国立病院機構熊本医療センター消化器内科), 村尾 哲哉(国立病院機構熊本医療センター消化器内科), 中田 成紀(国立病院機構熊本医療センター消化器内科), 杉 和洋(国立病院機構熊本医療センター消化器内科) |
抄録 |
【はじめに】アルコール性肝炎の中には大量の飲酒に伴い肝不全や多臓器不全を呈し、重篤且つ予後不良な病型も存在し、重症型アルコール性肝炎と呼ばれている。今回重症型アルコール性肝炎に対し、一回の血漿交換が著効した症例を経験したため当院で経験した過去の症例も検討しながら文献的考察を加えて報告する。【症例】46歳、女性。鬱病の既往があり大酒家であった。平成24年9月から足の痺れ・腹部膨満感があり、前医受診し、内服加療を受けていたが、その2週間後腹満増悪し、黄疸、頻回の鼻出血が出現した。前医再診したところ肝機能障害を認め10月6日当院紹介受診された。診察上は軽度の意識障害と羽ばたき振戦、頻脈、著明な黄疸を認めた。採血では、WBC 9300 /ul,T-Bil 13.1mg/dl,AST 693 IU/l,ALT 99IU/l,NH3 96μg/dl,γ-GTP 886 IU/l,PT22.1%と肝不全所見を認めた。ウイルス性や自己免疫性肝炎は否定的で腹部CTで著明な脂肪肝と肝腫大を認め、最近の飲酒量の増加あり重症型アルコール性肝炎と診断した。入院後、絶食、補液と新鮮凍結血漿を2日間で計6単位投与したが、10月9日採血でPT18%,T-Bil 16.5 mg/dlとさらに悪化したため、同日ステロイドの投与、血漿交換施行した。翌日よりPT,T-Bilともに改善傾向となり、2回目の血漿交換も予定していたが、血漿交換が原因と考えられる中毒疹が出現したため経過観察したところ10月15日にはPT 49.6%T-Bil 7.1mg/dlまで回復し自宅退院となった。 |
索引用語 |
重症型アルコール性肝炎, 血漿交換 |