セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専22:

壊疽性膿皮症を合併した潰瘍性大腸炎の5例の検討

演者 富里 孔太(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部)
共同演者 島袋 耕平(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 金城 徹(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 岸本 一人(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 宮里 公也(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 大平 哲也(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 伊良波 淳(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 新垣 伸吾(琉球大学医学部附属病院 第一内科), 與儀 竜治(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 柴田 大介(琉球大学医学部附属病院 第一内科), 東新川 実和(西崎病院), 武嶋 恵理子(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 小橋川 ちはる(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 前城 達次(琉球大学医学部附属病院 第一内科), 仲本 学(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 平田 哲生(琉球大学医学部附属病院 第一内科), 金城 渚(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 山城 剛(琉球大学医学部附属病院 第一内科), 外間 昭(琉球大学医学部附属病院 第一内科), 金城 福則(琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大学医学部附属病院 第一内科)
抄録 【背景】壊疽性膿皮症(PG)は1930年にBrunstingにより初めて記載された概念である.その正確な病態は未だ不明であるが,しばしば潰瘍性大腸炎(UC)に合併することが知られており,UCにおけるPGの合併頻度は欧米で0.5~12%とされている.今回,当院におけるPG合併のUC5例を検討した.
【対象と方法】2002年から2013年までのPG合併のUC5例に対し後方視的に検討した.
【結果】性別は男性3例,女性2例であった.PG発見時年齢は中央値が40歳(28~73歳).UC罹患範囲は,全結腸炎型1例,左側結腸炎型2例,直腸炎型1例,回腸嚢炎1例であった.回腸嚢炎を含めた4例は腸炎の増悪とともにPGの出現を認めた. PGの診断後にUCの診断に至った症例が1例あった.活動期内視鏡分類は中等度3例,強度1例であった.初回PGの治療として経口ステロイド(0.5mg/kg)が3例,ステロイド大量静注(1mg/kg)が1例であった.全例が治療抵抗性であったため,追加治療として,ステロイド大量静注療法+アザチオプリン(AZA)が1例(回腸嚢炎),ステロイドパルス療法のみが3例(左側結腸炎型2例,直腸炎型1例),ステロイドパルス+AZA+白血球除去療法(全結腸炎型)が1例であった.5例中4例は治療反応良好で,PG・UC共に改善を認めたが,直腸炎型の1例はPGの改善あるもUCの改善は認められなかった.
【考察】UCとPGの病勢の相関は一定の見解が得られていないが,当院の経験では臨床症状と相関する傾向が認められた.今回の検討では5例中4例にステロイドパルス療法を行い,内3例でPG・UCの改善を得ることができた.また,5例中1例にステロイド大量静注療法を行い,PG・UCの改善を得ることができた.PGを合併したUCに対し,近年様々な治療が検討される中で,ステロイドパルス療法は難治例の治療法として有効であったため,文献的考察を加えて報告する.
索引用語 潰瘍性大腸炎, 壊疽性膿皮症