セッション情報 | シンポジウム1「代謝性肝疾患の現状と問題点」 |
---|---|
タイトル | S1-02:NAFLD(非アルコール性脂肪性肝障害)患者における肝組織中、血清中のmicroRNA122の病理組織像との関連 |
演者 | 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科) |
共同演者 | 宮明 寿光(長崎大学病院消化器内科), 東郷 政明(長崎大学病院消化器内科), 高原 郁子(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 妹尾 健正(長崎大学病院消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】NAFLD(非アルコール性脂肪性肝障害)は生活様式に関連した生活習慣病としての性格を有し、本邦において増加傾向にあるとされている。NAFLDの中には線維化が進行し、肝硬変、肝癌へと進行するNASHが存在するが、病態進展のバイオマーカーは確立していない。microRNA122(miR-122)は肝臓において発現し、脂質代謝において重要な役割を持っているとされている。今回我々は、肝組織中および血清中のmiR-122を検討し、病理組織像との関連を検討し、その意義を検討した。【方法】NAFLDと当院にて肝生検にて診断された症例を検討対象とした。肝組織は67症例、血清は16症例を検討した。肝組織はパラフィン切片よりrecover all total nucleic acid isolation kit(ambion)を用いて,血清からはtrizol(ambion)を用いてmicroRNA抽出を行った。miR-122はリアルタイムPCRにて測定した。コントロールとしては肝組織中はRNU6Bを、血清中はcell-miR-39を用いた。【結果】肝組織中のmiR-122/RNU6Bは脂肪化が高度な群(33%以上)で軽度な群(33%以下)に比較して有意に上昇していた(軽度脂肪化群:高度脂肪化群=2.125±1.793:4.854±7.463,P=0.042)。また高度線維化群では軽度線維化群に比較して有意に低下していた (軽度線維化群4.843±7.226:高度線維化群=2.135±2.580,P=0.040)。炎症は両郡間に有意差は認めなかった。血清中のmiR-122/miR-39は脂肪化、炎症においては両群間に有意差は認めなかったが、高度線維化群では軽度線維化群に比較して有意にmiR-122が低下していた(軽度線維化群:高度線維化群 1.749±1.561:0.384±0.434,P=0.042)。【結論】NAFLD症例においてはmiR-122は高度線維化群では軽度線維化群に比較して肝組織中、血清ともに低下しており、線維化進行のバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。 |
索引用語 | NAFLD, miR-122 |