セッション情報 |
一般演題(公募)
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タイトル |
115:原発性胆汁性肝硬変症の診断9年6ヵ月後に自己免疫性肝炎を合併したPBC-AIH overlap 症候群の1 例
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演者 |
福泉 公仁隆(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター) |
共同演者 |
黒川 美穂(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 岩田 真悠子(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 中村 吏(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 寺松 克人(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 山口 恵梨子(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 柿ケ尾 佳奈(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 岡本 梨沙(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 国府島 庸之(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 吉本 剛志(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 福嶋 伸良(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 原口 和大(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 隅田 頼信(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 藤森 尚(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 河邉 顕(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 原田 直彦(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 中牟田 誠(国立病院機構九州医療センター消化器内科、臨床研究センター), 桃崎 征也(国立病院機構九州医療センター病理部), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
抄録 |
症例は63才女性、2003年9月(54才時)に全身倦怠感、浮腫、皮膚掻痒を主訴に近医を受診し肝胆道系酵素上昇を認め当科へ紹介された。AST 308IU/l,AST 308 IU/l,ALP 670 IU/l,γ534 mg/dl,IgG 1189mg/dl,IgM 305mg/dl, ANA80x, AMA 80x、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、肝生検所見では慢性非化膿性胆管炎を認めないもののPBCに矛盾しない組織像であり、症候性PBCと診断、慢性甲状腺炎(甲状腺機能低下症)の合併も認めた。ウルソデオキシコール酸(UDCA)600mg/日、甲状腺剤を併用して加療を行った。UDCA投与により肝胆道系酵素は改善し、経過は良好であった。焼酎3合/日、常習飲酒家であったが完全な断酒はできていなかった。2012年7月頃より、肝胆道系酵素上昇を認め、2012年12月AST 365IU/l, ALT 774 IU/l,γGTP241mg/dlを認めた。その後、断酒を継続するも2013年2月(63才)時にAST 644 IU/l, ALT 1021 IU/l, ALP 352 IU/l、γGTP 177 mg/dl, IgG 2794mg/dl,IgM 318mg/dl, ANA 40xを認めたため当科へ入院。肝生検施行しinterface hepatitis(+)、形質細胞浸潤(+)、emperiopolesis(+)を認め、病理所見ではCompatible AIHと診断。自己免疫性肝炎国際診断基準(簡易版)2008では6点を認め、probable AIHと診断した。2003年にPBCと診断されており臨床経過よりPBC-AIH overlap症候群と診断した。UDCA600mgに副腎皮質ステロイドPSL35mg/日を併用して治療を開始した。肝胆道系酵素は改善を認め、PSLを漸減しながら継続加療中である。[考察]症候性PBCに対して長期間UDCA投与により治療していたが、9年6か月後にAIHが異時性に発症したOverlap症候群を経験した。UDCAに加えて副腎皮質ステロイド剤投与により著効を認めた。[結論]PBC経過中の肝細胞障害増悪例はPBC-AIH overlap症候群を鑑別することが重要である。 |
索引用語 |
原発性胆汁性肝硬変, PBC-AIH 0verlap症候群 |