セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研43:

腹腔鏡補助下膵中央切除を施行した非機能性膵NETの1例

演者 天池 孝夫(産業医科大学第1外科)
共同演者 厚井 志郎(産業医科大学第1外科), 沢津橋 佑典(産業医科大学第1外科), 谷口 竜太(産業医科大学第1外科), 井上 譲(産業医科大学第1外科), 森 泰寿(産業医科大学第1外科), 佐藤 典宏(産業医科大学第1外科), 柴尾 和徳(産業医科大学第1外科), 日暮 愛一郎(産業医科大学第1外科), 山口 幸二(産業医科大学第1外科)
抄録 症例は81歳、男性。胃癌の手術目的に当科紹介され、術前検査で偶然膵腫瘍を認めた。既往歴は特記事項なく、喫煙歴なく、飲酒歴は機会飲酒であった。腹部外傷歴も認めなかった。血液検査では腫瘍マーカー(CEA・CA19-9)の上昇は認めず、インスリン値は極軽度の上昇を認め、ガストリン値は正常範囲内であった。体外式超音波では膵体部に8x7mm大の境界明瞭で辺縁整、内部均一な低エコー腫瘤を認めた。造影CTでは膵体部に1cm大の早期より濃染される境界明瞭な腫瘤を認めた。MRIでは造影効果を認めず、拡散制限も認めなかった。PET-CTでは膵体部の腫瘤に集積は認めなかった。EUSでは膵体部に8mm大の境界明瞭で辺縁整、内部均一な低エコー腫瘤を認め、膵管の狭窄・拡張は認めなかった。EUS下に生検施行するも診断はつかなかったが、画像所見上膵NETを強く疑い、膵切除の方針とした。核出術も考慮したが腫瘍の存在部位から中央切除の方針となった。胃癌の術前診断はcT2N0M0stagIIであり、腹腔鏡下幽門側胃切除・膵中央切除術を行った。膵腫瘍の病理診断はwell differentiated endocrine tumorであり、免疫染色ではSynaptopysin・ChromograninA・Vimentin・Alpha1-ATが陽性、EMA・CA19-9・P53・CD10・βcateninが陰性あった。MIB-IIndex<1%であり、最終診断は膵NET, G1であった。非機能性膵NETに対しては1cm以下の腫瘤に対しては低侵襲な核出術が推奨されているが、腫瘍の存在部位によっては困難な症例もあり膵中央切除が必要となることもある。今回我々は腹腔鏡補助下膵中央切除を施行した非機能性膵NETの1例を経験したので報告する。
索引用語 膵NET, 腹腔鏡