セッション情報 | 一般演題(公募) |
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タイトル | 064:高齢者の慢性C型肝炎患者(2a型高ウィルス量)にペグインターフェロンα-2a少量長期単独投与が著効した一例 |
演者 | 岡 進(社会医療法人 鹿児島愛心会 笠利病院) |
共同演者 | |
抄録 | <はじめに>日本のC型慢性肝炎の70%は60歳以上の高齢者であり今後80歳以上の高齢者の治療が開始されると思われる。82歳より3年間の治療で著効を得た一例を報告する。 <患者>82歳 男性 現役の農夫 <既往歴>69歳でC型急性肝炎、入院治療インターフェロン(IFN)治療を受けHCV消失といわれた。72歳で2度目のIFN治療法を受けた。 <現病歴>糖尿病で外来治療していたところ腹部エコーにて肝硬変の疑いあり。 <検査所見>H22年1月TP7.6 ALB3.9 AST104 ALT174 γ-GTP198 BS218 HbA1c 6.1 TC150 TG161 BUN22.1 Cr0.85 HCV定量6.7L.IU/mL 、群別判定グループ2a WBC4200 RBC360 血小板6万、糖尿病はコントロール良好、肝硬変の疑い、食道静脈瘤はない。 <経過>高齢で2度のIFN治療歴がある事よりINFα-2aの少量長期単独投与をおこなう事とした。H22年3月より、毎週90μg投与を開始した。2回投与後倦怠感を強く訴え中断、6週後再開した。8回目投与で全身掻痒感を訴えた。HCV定量はこの時点で6.6Lより3.7Lと低下し以後順調に低下した。16回目投与で倦怠感と掻痒感を訴えた。ALT120であった。H23年1月35回目にて発熱、倦怠感があり、肺炎の診断、治療のためIFN療法を2週間中断した。42回目でHCV定量は無検出となり、その後無検出が続いている。H23年4月48回目よりIFN投与を2週間に1回とした。 ALT98 であった。H24年5月79回目よりIFN投与は月1回とした。ALT25と正常化した。 <考察>IFNα-2a投与中掻痒感や倦怠感が出現、肺炎などで中断があったが単独少量投与を続ける事によりウィルス学的著効が確認された。HCV無検出より1年後ALTの正常化が認められた。以後上昇なく、倦怠感、掻痒感は出現していない。80歳以上の高齢者でもIFN少量長期投与は可能と考えられる。 |
索引用語 | C型肝炎, IFN療法 |