セッション情報 ジウシンポム6「腹腔鏡下胆嚢摘出術の現状と問題点」

タイトル S6-07:

単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(Reduced Port Surgery)の利点・欠点

演者 山本 純也(福岡)
共同演者 二又 泰彦(福岡), 中村 吉孝(福岡), 佐田 正之(佐田病院)
抄録 【はじめに】整容性に優れた手術を求める患者は多く、腹腔鏡下手術においてReduced Port Surgery(RPS)は一つの方向性を示している。RPSの利点は、キズが目立たず整容的であること・術後回復が早く患者の精神面や生活面での負担が少ないこと・創出血や術後癒着などの合併症が少ないことである。欠点は、手術操作が特殊で高度な技術が必要であることである。【手術手技】RPSに対して様々な方法(マルチトロッカー法、グローブ法、SILS、・・)を試み、現在はスポンジチューブ法、マルチチャンネルポート法(OCTO,EZアクセス)を主に行っている。臍部切開は1.5-2cmを基準とし、45cmのロングスコープ(30°斜視)とロング把持鉗子を用いている。ポート配置は、右下よりスコープ、左下より胆嚢把持鉗子、右上より可変弯曲型把持鉗子、左上より電極付洗浄・吸引器を挿入する。術者は右手にて可変弯曲型把持鉗子を、左手にて電極付洗浄・吸引器を用いて胆嚢剥離操作を行う。また難しい症例ではニードル型サポート器具(ミニループリトラクターII,ミニラップ)を使用している。【結果】単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を500例に試み、486例(97.0%)に施行しえた。従来法(4ポート)に変更した症例は10例、開腹移行症例は4例であった。【考察】ラパコレは安全に手術を完遂させることが大切であり、Critical view of safety(胆嚢管・胆嚢動脈・Rouviere溝・右肝管・総胆管)の確認がとても重要である。RPSの手術方針としては、まず臍部からアプローチし、必要に応じてニードル型サポート器具を追加していく方法が良いと考える。ロングスコープやロング把持鉗子は臍部における鉗子同士の干渉を軽減させる。ニードル型サポート器具は細径で整容性に優れており、これを用いると術野展開もしやすいので手術適応を拡げるためにはとても有効である。
索引用語 単孔式, Reduced Port Surgery