セッション情報 ジウシンポム6「腹腔鏡下胆嚢摘出術の現状と問題点」

タイトル S6-04:

腹腔鏡下胆嚢摘出術困難例への当科での対応策

演者 大塚 隆生(九州大学臨床・腫瘍外科)
共同演者 高畑 俊一(九州大学臨床・腫瘍外科), 上田 純二(九州大学臨床・腫瘍外科), 田村 公二(九州大学臨床・腫瘍外科), 河野 博(九州大学臨床・腫瘍外科), 永吉 洋介(九州大学臨床・腫瘍外科), 井手野 昇(九州大学臨床・腫瘍外科), 安蘇 鉄平(九州大学臨床・腫瘍外科), 水元 一博(九州大学臨床・腫瘍外科), 清水 周次(九州大学臨床・腫瘍外科), 田中 雅夫(九州大学臨床・腫瘍外科)
抄録 当院の性質上、当科では重度の内科的全身疾患を持つ胆嚢摘出術が必要な患者が他科から紹介される場合も多い。ガイドラインでは急性胆嚢炎に対する早期の胆嚢摘出術が推奨されているが、患者の全身状態や緊急手術に対する当科での体制の問題もあり、急性胆嚢炎の多くはドレナージ術などの保存的治療の後に胆嚢摘出術を行う場合が多い。胆嚢ドレナージ術は経皮経肝的ルート(PTGBD)を第一に検討するが、腹水貯留例や血小板凝集抑制剤内服例、血液凝固能異常例に対しては内視鏡的経乳頭的胆嚢ドレナージ術(ENGBD)を行い、手術までの待機時間が長い患者ではENGBDチューブを内瘻化する場合もある。急性胆嚢炎ドレナージ術後の手術では、開腹術の既往があっても侵襲の低い腹腔鏡下手術を第一に検討している。炎症の波及によりCalot三角の展開が難しい場合には胆嚢管の処理を無理に行わず、胆嚢部分切除術を選択して胆管損傷と肝床部からの出血を予防し、その上で遺残胆嚢粘膜は焼灼し、胆嚢・胆嚢管移行部を縫合閉鎖している。ENGBD施行患者では、ドレナージチューブが必要時に術中胆管造影を可能とし、胆嚢部分切除術に際しても胆嚢・胆嚢管移行部の確認を容易にする利点がある。一方、胆嚢部分切除術にはincidental cancerが存在した際に播種や遺残の問題があるため、術前にドレナージ胆汁の細胞診を行っている。本発表では特に急性胆嚢炎に対するENGBDと腹腔鏡下胆嚢部分切除術を中心に、当科での取り組みについて報告する。
索引用語 急性胆嚢炎, 腹腔鏡下胆嚢摘出術