セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研22:

イレウス精査中に偶然発見された腸間膜原発粘液性嚢胞腺腫の一例

演者 吉野 幸司(唐津赤十字病院内科)
共同演者 伊東 陽一郎(唐津赤十字病院内科), 倉田 毅(唐津赤十字病院内科), 鶴岡 ななえ(唐津赤十字病院内科), 野田 隆博(唐津赤十字病院内科), 馬塲 耕一(同 外科), 湯ノ谷 誠二(同 外科), 木戸 伸一(同 病理診断科)
抄録 【症例】80歳代女性【主訴】腹痛【現病歴】2012年4月腹痛を主訴に来院。これまで3度の手術歴があり、術後癒着性イレウスと診断され、保存的加療にて軽快した。しかし、入院時の腹部単純CTでイレウスとは関係のない腫瘤性病変を回腸に認め、退院後外来にて精査を行った。小腸透視では回腸遠位部に約6cm大の圧排性病変を認めた。MRIでも同部位に境界明瞭な腫瘤性病変を認め、内部はT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号を呈しており小腸間葉系腫瘍が最も疑われた。2012年8月外科にて開腹下に腫瘍切除を施行。腫瘍は腸管膜内に認めたが腸管と非連続性であったため、腫瘍を含む腸間膜切除を行った。肉眼的所見では腫瘍径6×4cmで、内腔に黄白色の粘液状物質を多量に含む被膜を伴う腫瘤であった。組織学的には、被膜組織内腔側の上皮の剥脱や異物巨細胞の浸潤を認め、上皮組織が残存する部分では粘液性胞体を有する腺腫細胞の乳頭状増殖を認めた。石灰化や充実性成分は認めず明らかな悪性の所見は認めなかった。以上より腸間膜由来の粘液性嚢胞腺腫と診断した【結語】腸間膜原発の粘液性嚢胞腺腫は本邦でも報告数は少なく、稀な症例であるため若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 腸間膜原発, 粘液性嚢胞腺腫