セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専27:ステロイド治療が奏功したCronkite-Canada症候群の1例 |
演者 | 池邊 賢一(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学) |
共同演者 | 鴻江 勇和(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 野田 香菜(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 堤 英治(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 階子 俊平(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 石井 将太郎(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 奥田 彩子(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 山田 裕希(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 庄野 孝(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 直江 秀昭(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 桜井 宏一(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 田中 基彦(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学), 佐々木 裕(熊本大学医学部付属病院 消化器内科学) |
抄録 | 症例:60歳女性。現病歴:2000年より強皮症で皮膚科通院中であった。2012年7月より下痢・体重減少が出現し、8月より脱毛・味覚障害、9月より爪の変形・手の色素沈着を認めかかりつけの皮膚科を受診した。同院消化器内科で上・下部内視鏡検査を施行したところ上部内視鏡検査では前庭部を主体としたポリポーシス、下部内視鏡検査では全大腸に粘液付着を伴うポリポーシスを認めたため、Cronkhite-Canada症候群が疑われた。腫瘍マーカ-もCEAが38ng/mlと高値であり悪性腫瘍の合併も考えられた。9月6日よりプレドニゾロン15mg/日が前医より開始され、当院消化器内科に10月24日に紹介となった。当院入院時の身体所見として、腹部症状(下痢)は改善傾向、頭部の脱毛、四肢の爪変形、前腕の色素沈着は認めたが、血液検査では腫瘍マーカーは19.5ng/mlと前回に比べて減少傾向であった。上部内視鏡検査では前庭部を主体に発赤調のポリープが多発しており、下部でも盲腸からS状結腸を主体に多発ポリープを認めた。またカプセル内視鏡を施行したが、明らかな小腸病変は認めなかった。内視鏡所見、身体所見、病理所見から総合しCronkhite-Canada症候群と診断し、ステロイド治療が継続となった。その後、毛髪の増生・爪の再生を認め、臨床症状の改善を認めた。 考察:Cronkhite-Canada症候群は消化管ポリポーシスによる消化管機能不全及び脱毛、色素沈着、味覚異常、爪甲異常などの外胚葉系異常を合併する非遺伝性の稀な疾患であり、原因はまだ不明であるが、感染・ビタミン欠乏・免疫低下・消化管粘膜の消化・吸収障害が考えられる。契機として精神的・肉体的ストレスが想定されている。一般的に治療はステロイド治療である。また悪性腫瘍(特に大腸癌)の合併が約15%と併存することが分かっており、大腸ポリープ病変に関しては、経過を注意して診ていく必要があると考えられる。 今回、ステロイド治療により、臨床症状・腫瘍マーカー値の改善を認めたCronkhite- Canada症候群の1例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | cronkhite, ステロイド |