セッション情報 一般演題(公募)

タイトル 082:

Triaxial microcatheter method によりTACEを行った肝細胞癌の2例

演者 松垣  諭(戸畑共立病院 肝臓内科)
共同演者 久保 保彦(戸畑共立病院 内科), 奥 雄一郎(戸畑共立病院 内科), 久富 順次郎(久留米中央病院), 板野 哲(いたのクリニック)
抄録 【序言】HCCに対するTACEは、DSA・マイクロカテーテルの発達・最近では Cone-beam CTの開発により、super selective TACEが可能となった。super selective TACEは超選択的にカニュレーションすることで、ラジオ波熱焼灼術(RFA)に匹敵するほどの治療効果と正常肝への障害を軽減することが可能である。しかしながら、血管の分岐角度や蛇行によりsuper selective TACEが困難な症例もある。今回われわれは親・子・孫カテーテルを用いた Triaxial microcatheter method によりTACEを行った肝細胞癌の2例を経験したので報告する。【症例 1.】 82歳 女性 S6に1cm前後のHCC を3箇所に認める。左上腕動脈経由で血管造影施行し、通常のコアキシャル法でアプローチしたものの親カテーテルが撓んでしまい、後区域までしかカニュレーションできなかった。マイクロカテーテルをhigh flow カテーテルに変更し右肝動脈まで挿入、1.9F non taper type カテーテルを挿入、A6の血管までカニュレーションし TACEを行った。【症例 2.】84歳 女性 肝左葉表面18mmのHCC に対しコアキシャル法にてアプローチするも A3分岐が急な上、その先が蛇行しておりA3 分岐にガイドワイヤーが挿入できても、カテーテルを進める際、胃十二指腸動脈側にトルクがかかり、追従していかなかった。high-Flow カテーテルを 2.5ワイヤーにてA3分岐部まで誘導、high-Flow 内から 1.9F non taper type カテーテルを腫瘍まで進め、super selective TACEを施行した。【まとめ】いずれの症例も、ガイドラインでは局所療法の適応ではあるが、RFA治療の困難な場所である。年齢的にも高齢であり、全身麻酔・開腹などの侵襲も可能であれば避けたい。ガイドラインに従った治療を基本としながらも症例の状態にあわせた治療の工夫が必要と考えられる。
索引用語 肝細胞癌, Triaxial microcatheter method