共同演者 |
佐古 達彦(北九州総合病院), 本田 晋策(静岡県立静岡がんセンター), 春田 泰宏(埼玉医科大学国際医療センター), 目井 孝典(北九州総合病院), 伊波 悠吾(北九州総合病院), 村山 良太(北九州総合病院), 黒田 宏昭(北九州総合病院), 坂本 喜彦(北九州総合病院), 永田 直幹(北九州総合病院) |
抄録 |
【症例】81歳女性。2012年9月、近医内科で逆流症状の精査目的に受けた上部消化管内視鏡検査で食道裂孔ヘルニアとEGjunction部にII型の腫瘤性病変を認め、当院での精査の結果、腹部食道癌squamous cell carcinoma cT3N0M0cStageIIと診断した。2013年11月に腹腔鏡下にて手術を施行し、最終診断は類基底細胞癌, pSM3, pHM0, pVM0, INFb, ly0, v0 fStageIであった。術後2ヶ月で退院したが、術後3ヶ月に下痢、食事摂取不良で再入院となり、このときCTで多発肝転移を認めた。現在術後4ヶ月となるが年齢・全身状態を考慮し無加療で生存中である。【考察】食道類基底細胞癌は食道原発腫瘍では非常に稀な疾患であり、高度脈管侵襲を呈し広範なリンパ節転移や血行性転移を来たしやすく予後不良と考えられている。今回我々はEGjunction部に発生した類基底細胞癌で早期癌であったにも関わらず術後3ヶ月で多発肝転移を来たした症例を経験したため若干の文献的考察を加えて症例を報告する。 |