セッション情報 シンポジウム5「ウイルス性肝炎の最近の治療」

タイトル S5-05:

ペグインターフェロン+リバビリン+テラプレビル3剤併用療法の治療効果、安全性に関する検討

演者 本田 浩一(大分大学医学部消化器内科)
共同演者 岩尾 正雄(大分大学医学部消化器内科), 正 宏樹(大分大学医学部消化器内科), 所 征範(大分大学医学部消化器内科), 西村 順子(大分大学医学部消化器内科), 吉原 光江(大分大学医学部消化器内科), 遠藤 美月(大分大学医学部消化器内科), 織部 淳哉(大分大学医学部消化器内科), 清家 正隆(大分大学医学部消化器内科), 村上 和成(大分大学医学部消化器内科), 山下 勉(国立病院機構大分医療センター), 斎藤 衆子(国立病院機構大分医療センター), 内田 宅郎(国立病院機構大分医療センター), 新関 修(国立病院機構大分医療センター), 福地 聡士(国立病院機構大分医療センター), 室 豊吉(国立病院機構大分医療センター)
抄録 (目的)テラプレビル(TVR)併用療法が保険適用後1年以上経過し、治療効果や安全性に関する情報も集積されつつある。60歳以上の高齢者に使用されることも多く、安全性を保ちながら治療を行う必要がある。今回、我々は当科および大分医療センターで治療を行なった34例を対象とし、治療効果、安全性などについて検討を行なった。(方法)2012年1月より3剤併用療法を導入した34症例を対象とした。男性15名、女性19名、平均年齢63.8±8.5歳 (60歳未満11名、60-69歳14名、70歳以上9名)、初回15名、再治療19名 (再燃15名、無効4名)、IL28b (rs8099917)TT20名、TG5名、不明9名。TPV初回投与量は70歳未満では20名が1500mg、5名が2250mgで開始、70歳以上では9名中8名が1000mgで開始した。 (結果) 副作用などのため治療を中止した症例は6例であった。中止理由はIFN網膜症1例(52歳)、血小板数減少1例(74歳)、一過性脳虚血1例(81歳)、気管支肺炎1例(75歳)、grade 3皮疹2例(62歳 65歳)であった。治療効果については、ITT解析において、治療終了時ウィルス陰性化率(ETR)は96.3% (26/27)、4週目陰性化率(SVR4)は96.3% (26/27), 8週目陰性化率(SVR8)85.7% (18/21), 12週目陰性化率(SVR12)85.0% (17/20), 24週目陰性化率SVR24 81.3% (13/16)であった。PP解析(24週完遂例)ではETR100% (22/22), SVR4 100% (22/22), SVR8 100% (17/17), SVR12 100% (16/16), SVR24 100% (12/12)であった。70歳以上の高齢者の大部分は1000mg減量投与を行ったが治療中止率が高かった(33.3%, 3/9)。しかし、治療を24週間完遂できればSVR12率は100% (3/3)、SVR24率は100% (3/3)であり、治療効果は良好であった。(結語)治療が完遂できればTVRを減量投与しても高い治療効果が期待できるため、治療を継続させるための工夫が必要である。また、診断が遅くなれば重篤化する可能性のある副作用もあるため厳重な管理が必要と考えられた。
索引用語 テラプレビル, インターフェロン治療