セッション情報 |
一般演題(公募)
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タイトル |
061:粘膜切除術にて診断された大腸elastosisの一例
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演者 |
藤本 真澄(三佼会 宮崎病院 消化器科) |
共同演者 |
田中 賢治(三佼会 宮崎病院 消化器科), 宿輪 三郎(三佼会 宮崎病院 消化器科), 三浦 史郎(長崎大学大学院 原研試料室) |
抄録 |
症例:53歳男性. 主訴:便潜血. 既往歴・家族歴:特記事項なし.現病歴:生来健康.検診便潜血陽性であったため,精査の為当院を受診した.現症:特記すべき異常所見なし.血液性化学検査所見:異常なし.下部消化管内視鏡検査:下行結腸に黄白色の立ち上がりのなだらかな隆起性病変と平坦な病変が並列して見られた.拡大NBI観察では,隆起部位には拡張した腺管構造を,平坦な病変には腺管構造がなく血管像が見られた.診断確定の為内視鏡切除術を行った.2つの病変の間の粘膜にno-lifting signがみられたが,多めに局注を行って両病変を一括切除した.病理組織所見:病変は粘膜固有層~粘膜下層にかけて均質な結合組織が存在する淡好酸性病変であった.コンゴーレッド染色陰性,EVG 染色やWeigert 染色などの弾性線維染色に良く染まり,Azan 染色陰性であることから弾性線維の沈着と考えた.隆起性病変は正常粘膜が被覆していたが,平坦な部位は正常な粘膜構造は見られず,この両病変の間も病変が見られた.診断:Colonic elastosis / Elastofibromatous change.消化管elastosisは炎症や潰瘍形成との関連を示唆されているが,詳細は未解明である。症例報告も少なく,日常診療で他疾患として経過観察を行われている可能性があり,症例の集積・検討が必要である.若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |
elastosis, 粘膜切除術 |