セッション情報 ジウシンポム6「腹腔鏡下胆嚢摘出術の現状と問題点」

タイトル S6-11:

腹腔鏡下胆嚢摘出術の問題点

演者 内田 信治(久留米大学)
共同演者 緒方 裕(久留米大学), 平川 浩明(久留米大学), 村上 英嗣(久留米大学), 田中 克明(久留米大学), 亀井 英樹(久留米大学), 石橋 生哉(久留米大学), 白水 和雄(久留米大学 外科)
抄録 はじめに:腹腔鏡下胆嚢摘出術が本邦に定着し約25年が経過する。そして現在、ラパコレは胆石症治療のゴールドスタンダードとなった。さらに近年様々な施設で低侵襲で整容性に優れた単孔式の腹腔鏡下胆嚢摘出術(SILS)が導入されてきた。当施設では2011年よりSILSを導入してきた。今回当施設でのSILSの手術成績を従来法(4ポート)と比較しつつラパコレの問題点を検討した。対象および方法:2011年3月から2012年3月までのSILS15例と同時期の4ポート腹腔鏡下胆嚢摘出術(4ポートLC)111例を対象とした。SILS群はすべて胆嚢管への石の鉗頓、胆嚢壁の肥厚の有無、術前CRP値を参考とした術前難易度評価ですべて低難易度を対象とした。当施設でのSILSはほぼすべてEZアクセスを用い胆嚢の脱転操作にはミニループリトラクターを用いた。また4ポートLC群はほぼすべて術中胆道造影を行い、SILS群は行っていない。検討項目:性別、年令、BMI、手術既往の有無、総胆管結石の有無、出血量、手術時間、開腹移行の有無、術者卒後年数、合併症の有無結果:従来法群とSILS群との比較においてすべての項目で有意差は認めなかったが出血量と術者の卒後年数においてSILS群が少ない傾向にあった。考察:術前難易度評価を適用することによってより難しい手技を安全に施行可能となる。術中胆道造影を行うことによって術中に胆道の分岐や総胆管結石の有無も正確に把握することができた。若い先生方は手術の困難さよりSILSを避ける傾向にあった。結語:術前難易度評価および術中胆道造影はラパコレをおこなうにあたって有用である。SILSをより簡便に施行する工夫が必要である。
索引用語 腹腔鏡下胆嚢摘出術, 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術