セッション情報 一般演題(公募)

タイトル S1-04:

成長ホルモン分泌不全症によるNASHの1例

演者 柴田 大介(琉球大学医学部第一内科)
共同演者 田端 そうへい(琉球大学医学部第一内科), 圓若 修一(琉球大学医学部第一内科), 星野 訓一(琉球大学医学部第一内科), 新垣 伸吾(琉球大学医学部第一内科), 前城 達次(琉球大学医学部第一内科), 金城 福則(琉球大学医学部第一内科DELIMITER琉球大学医学部光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大学医学部第一内科), 佐久川 廣(ハートライフ病院)
抄録 【症例】20歳代、女性【主訴】肝機能障害【既往歴】汎下垂体機能低下症、成長ホルモン分泌不全症、悪性杯細胞腫瘍にて左付属器切除術【現病歴】幼少期から10代後半まで成長ホルモン分泌不全症にて成長ホルモンの注射による加療を行っていたが、それ以後は自己中断していた。悪性杯細胞腫瘍術後2006年から当院婦人科に定期的に通院していた。2008年初めより肝機能障害が認められていたが軽度にて経過観察されていた。2010年8月より肝機能障害の悪化(ALT 163 IU/L)が認められ2010年10月当科に紹介となった。【来院時身体所見】身長147cm、体重49kg、BMI22.5、血圧102/74mmHg、脈84回、体温36.6℃、眼球結膜黄染なし、眼瞼結膜貧血なし、胸部正常肺胞呼吸音、心音整、異常なし、腹部平坦・軟、圧痛なし、反跳痛なし、四肢浮腫なし、肝脾腫なし【検査所見】<血液検査>WBC 6600/μl、RBC 458 x104/μl、Hb 14.5 g/dl、PLT 21.2 x104/μl、T-Bil 0.5mg/dl、AST 128 IU/L、ALT 282 IU/L、ALP 334 IU/L、LDH 352 IU/L、γGTP 133 IU/L<腹部CT>著明な脂肪肝を認めた。<肝生検>大滴性の脂肪沈着を肝組織の約50%で認めた。肝細胞のballooning変性が認められた。また肝細胞周囲の線維化も軽度認められNASHと診断した。【考察】NAFLD/NASHはメタボリックシンドロームの肝臓への表現型として捉えられ近年増加しているが、メタボリックシンドロームを背景に有さない例も報告されている。近年、成長ホルモン分泌不全症で高頻度にNAFLD/NASHが合併するとの報告が散見される。その治療には成長ホルモンの補充が有効との報告がある。またその予後についても少ないながら報告がある。本症例とともに成長ホルモン分泌不全症によるNAFLD/NASH症例について若干の文献的考察を含めて報告する。
索引用語 肝臓, NASH