セッション情報 一般演題(公募)

タイトル 068:

肝臓疾患と嗜好品の関連性について

演者 森田 茂樹(長崎県立大学人間健康科学研究科)
共同演者 磯野 みさき(長崎県立大学栄養健康学科), 市川 辰樹(長崎大学消化器内科), 田浦 直太(長崎大学消化器内科), 本田 琢也(長崎大学消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学消化器内科), 加茂 泰広(長崎大学消化器内科), 宮明 寿光(長崎大学消化器内科), 三馬 聡(長崎大学消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学消化器内科)
抄録 【目的】;肝疾患患者を対象に嗜好品と肝機能・他の血液検査値との関連性について検討した。
【対象および方法】;調査対象はN大学病院消化器内科外来に通院中の患者の内、同意を得て調査用紙を回収できた165名(男性85名、女性80名。B型肝炎ウイルス感染者41名、C型肝炎ウイルス感染者58名、その他の肝疾患患者67名)に、7種類の嗜好品の1日摂取量をアンケート形式で調査し、患者の年齢・性別・病名・血液検査データ・他との関連性を検討した。統計処理は、IBM SPSS version20を用いて行い、相関係数および平均値の差の検定を行った。
【結果および考察】;コーヒーを摂取している者は120名、1日平均摂取量は1.3杯であった。コーヒー摂取量が多い例(カップ約2.5杯以上の者)では、AST・ALTが低い傾向にあった。お茶を摂取している者は144名、1日平均摂取量は3.0杯であった。お茶の摂取量との相関性ではAST・ALTに有意な関連はみられなかった。紅茶を摂取している者は41名、1日平均摂取量は0.85杯であった。紅茶摂取者および量は少なかったが、紅茶による検査値への影響がみられなかった。アルコール飲料を摂取している者は43名、1日のアルコール推定摂取量の平均は、男性が14.5gで、女性が10.0gであった。今回の調査では、アルコール量とAST・ALT・γ‐GTPの有意な差はみられなかった。牛乳を摂取している者は106名、1日平均摂取量は0.74杯であった。サプリメントを含む健康食品を摂取している者は42名。いろいろな健康食品を取っていたが最も多かったのは、黒酢(8名)であった。
【結論】;肝疾患患者では、コーヒー・他の嗜好品が肝機能に影響する可能性が示唆された。より詳細な検討が今後、必要と思われた。
索引用語 嗜好品, コーヒー