セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専05:

Virchow転移を伴った早期胃癌の一例

演者 織田 枝里(熊本大学消化器外科)
共同演者 岩上  志朗(熊本大学消化器外科), 岩槻 政晃(熊本大学消化器外科), 尾崎 宣之(熊本大学消化器外科), 石本 崇胤(熊本大学消化器外科), 馬場 祥史(熊本大学消化器外科), 坂本 快郎(熊本大学消化器外科), 宮本 裕士(熊本大学消化器外科), 吉田 直矢(熊本大学消化器外科), 渡邊 雅之(熊本大学消化器外科), 馬場 秀夫(熊本大学消化器外科)
抄録 【はじめに】胃癌に伴うVirchow転移はそのほとんどが進行胃癌に併発し、早期胃癌に伴うことは比較的稀である。今回、われわれは早期胃癌と診断し、Virchow転移を認めた症例を経験したので報告する。【症例】75歳、女性。心窩部不快感、左鎖骨上腫脹を主訴に近医を受診し、胃癌を指摘された。精査加療目的で当科紹介となった。上部消化管内視鏡検査では前庭部後壁に0-IIc病変(tub2)を認め、深達度はT1a(M)と診断した。しかし、PET-CTでは左鎖骨上、縦隔、および腹部大動脈リンパ節腫脹と異常集積(SUVmax=4.8)を認めた。腫瘍マーカーはCEA 5.8ng/mL、STN 723.6U/mLと上昇を認めた。左鎖骨上リンパ節の生検を行い、病理検査ではsigであり、胃癌のVirchow転移と判断した。胃癌StageIVの診断で化学療法(TS-1+CDDP療法)導入となった。【考察】医学中央雑誌での早期胃癌、Virchow転移の報告例は4例であった。早期胃癌におけるリンパ節転移は珍しくないが、その大部分は第2群リンパ節(胃癌取扱い規約第13版)までにとどまっており、Virchow転移は比較的稀である。リンパ節転移の程度により、その治療方針は大きく異なるため、診断が重要となる。【まとめ】早期胃癌であっても高度転移を伴う可能性がり、治療方針決定の為には全身検索が必要と考えられた。
索引用語 早期胃癌, Virchow転移