セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年迄)
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タイトル |
専44:食道癌リンパ節転移と鑑別に難渋した食道平滑筋腫の一例
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演者 |
川越 浩輔(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学) |
共同演者 |
内門 泰斗(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学), 奥村 浩(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学), 佐々木 健(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学), 川崎 洋太(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学), 喜多 芳昭(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学), 大脇 哲洋(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学), 尾本 至(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学), 石神 純也(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学), 夏越 祥次(鹿児島大学腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学) |
抄録 |
【はじめに】食道良性腫瘍は稀であるが,非上皮性良性腫瘍の中では食道平滑筋腫の頻度が高く,食道内視鏡や食道透視で見つかることが多い.今回,食道内腔に所見がなく食道癌の治療方針決定のために行ったリンパ節転移診断に際して,上縦隔リンパ節との鑑別に難渋した食道平滑筋腫の一例を経験したので報告する【症例】75歳男性で,喉の違和感を主訴に前医を受診し,食道癌と診断され,加療目的に当科紹介となった.精査の結果,胸部中部食道癌,Mt,長径6cm,左壁中心,3/4周の2型の腫瘍,cT3N2M0cStageIIIと診断と診断した.その際に,左側気管気管支リンパ節(No.106tbL)の位置に石灰化を伴う3cm大の腫瘤を認め,転移性でなく炎症性のリンパ節腫大と診断した.Low dose FP併用の総線量40Gyの術前化学放射線療法(NACRT)を行った.NACRT後,食道癌はCRT-cT3cN0cM0 cStageIIとDown Stageが認められ,No.106tbLのリンパ節腫大については,NACRT後も大きさに変化がなかった.手術は,右開胸開腹食道亜全摘,胃管胸壁前経路,頸部食道胃管吻合を行い,術中,縦隔からの食道剥離の際に術前指摘していたNo.106tbLリンパ節腫大は,リンパ節ではなく食道壁内に腫瘤が存在していることが判明した.切除標本の最終病理結果は,原発巣,リンパ節に癌の遺残はなくGrade3の診断で,食道壁内腫瘤は壁外性に発育した平滑筋腫であった.【まとめ】食道の良性腫瘍は稀であるが食道平滑筋腫は非上皮性良性腫瘍の中で最も多いとされている.発生部位としては下部食道の発生報告が多いく,内視鏡や透視で発見されている.今回の本症例は,内視鏡・透視では,全く食道腔内に所見がなく,炎症性リンパ節腫大と診断し,切除後にリンパ節腫大でなく,食道平滑筋腫と診断された.食道内腔に所見がなく,食道癌のリンパ節転移診断に際してリンパ節との鑑別に難渋した食道平滑筋腫の一例を経験したので報告する. |
索引用語 |
平滑筋腫, 食道癌 |