セッション情報 ジウシンポム6「腹腔鏡下胆嚢摘出術の現状と問題点」

タイトル S6-10:

単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の現状と問題点

演者 政次 俊宏(佐田病院)
共同演者 平野 達也(佐田病院), 住吉 金次郎(佐田病院), 佐田 正之(佐田病院)
抄録 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は、優れた整容性のため需要の高い術式であり、当院においては第一選択となっている。手術を円滑に進めることが肝要と考え、一定の条件(急性炎症、高度肥満、高度腹腔内癒着、ハイリスクなどが除外できていることが望ましい)を患者に提示した上で本人の希望をもとに本術式を実施している。術中困難例ではポートを必要に応じて追加している。単孔式手術を行わない場合は、全身麻酔および気腹操作が可能であれば従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術を行うことにしている。複数の手術既往などで腹腔内のスペースが確保できないものや鉗子操作による展開がどうしてもできないものが開腹手術移行となっており、いずれの場合にもまず腹腔鏡下胆嚢摘出術を基本としている。単孔式手術の実際は、臍部にE・Zアクセスに3本のトロッカーを挿入し、尾側のポートからカメラで観察し、術者は右上のポートから弯曲鉗子を右手で展開、左上のポートから剥離・切離・クリップデバイスを左手で操っている。助手は右季肋部に針状把持鉗子を用いて胆嚢の展開のサポートを行う。当院では2009年より単孔式手術を導入し、これまで計711例施行した。同期間中に従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術は768例に施行されており単孔式手術が48.1%に適用されていた。711例の成績の内訳は完遂率95.8%。開腹移行は2例。平均手術時間70.9分、平均出血量8.0ml、総胆管損傷1例。
索引用語 腹腔鏡下胆嚢摘出術, 単孔式手術