セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専32:腸回転異常症の盲腸に発生した腸管子宮内膜症の一例 |
演者 | 田淵 雅裕(出水総合医療センター消化器疾患センターDELIMITER鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 嵜山 敏男(出水総合医療センター消化器疾患センターDELIMITER鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 上田 紘子(出水総合医療センター消化器疾患センターDELIMITER鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 田ノ上 史郎(出水総合医療センター消化器疾患センターDELIMITER鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 花田 法久(出水総合医療センター消化器疾患センターDELIMITER熊本大学大学院消化器外科学), 伊藤 史子(熊本大学大学院産科婦人科学), 片渕 秀隆(熊本大学大学院産科婦人科学), 坂本 快郎(熊本大学大学院消化器外科学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 症例は44歳、女性。2011年12月頃から月経時にのみ頻回の便意と血便がみられるようになった。大腸がん検診の便潜血検査が陽性であったため、2012年11月下部消化管内視鏡検査を施行。横行結腸中央部と思われる部位に発赤した結節状隆起と強い狭窄がみられ、直腸にも発赤した結節状隆起がみられた。両部位の生検では悪性所見や内膜症所見はみられなかった。腹骨盤部CT検査・MRI検査で右側付属器領域に多房性の嚢胞性病変がみられ、チョコレート嚢胞が考えられた。右半結腸は左方に偏位し、上行結腸がほぼ正中に見られた。また、上腸管膜静脈が上腸管膜動脈の左側に位置するSMV rotation signを認め、腸回転異常症と考えられた。当初横行結腸と思われた病変部位は盲腸であり、盲腸と直腸の腸管周囲を取り囲むように軟部影が認められた。子宮内膜症(右側卵巣チョコレート嚢胞、腸管子宮内膜症)と診断し、2013年1月両側卵巣切除術、単純子宮全摘術および回盲部切除術を施行した。病理では右側チョコレート嚢胞壁、左側卵管周囲間質、回盲部結節部分、膀胱子宮窩腹膜、直腸膣靭帯に内膜腺が認められた。腸回転異常症は胎生期の腸管回転が正常に終了しないために生ずる先天性疾患であり、多くは新生児期に発見されるが、まれに成人まで無症状に経過し偶発的に診断されることがある。本症は腸回転異常症の盲腸に発生した腸管子宮内膜症であり、盲腸が下腹部正中に位置していたため直腸に進展したものと考えられた。極めて稀な症例と考えられ、文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | 子宮内膜症, 腸回転異常症 |