セッション情報 シンポジウム5「ウイルス性肝炎の最近の治療」

タイトル S5-01:

B型慢性肝炎に対するPEG-IFNα2a投与症例の検討

演者 宮島 一郎(久留米大学消化器内科)
共同演者 井出 達也(久留米大学消化器内科), 天野 恵介(久留米大学消化器内科), 桑原 礼一郎(久留米大学消化器内科), 緒方 啓(久留米大学消化器内科), 有永 照子(久留米大学消化器内科), 石井 邦英(朝倉医師会病院), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科)
抄録 【目的】B型慢性肝炎に対し、PEG-IFNα2aを投与した症例の治療効果について検討を行った。【方法】対象はPEG-IFNα2a を投与開始後、6ヶ月以上の経過観察が可能であったB型慢性肝炎患者9例(男性6例、女性3例)で、治療開始時の平均年齢は31.9歳であった。Genotypeの測定は6例に行い、全例Cであった。治療開始時の平均ALT値132.1 IU/L、HBeAg陽性 8例、HBeAb陽性 1例、平均HBV DNA量 7.7 log copies/mLであった。治療効果の評価は、治療開始6ヶ月目、治療終了時、治療終了6ヶ月目のALT値、HBeAg陰性化、HBV DNA量で判定した。【成績】PEG-IFNα2aの投与完遂例は、4例であった。治療中止を2例に認め、中止理由は、ALT値の上昇 ( 655 IU/L)、無効が1例ずつであった。無効の1例は、その後、核酸アナログ製剤の投与を行った。評価可能な症例数は治療開始6ヶ月目:7例、治療終了時:4例、治療終了6ヶ月目:4例(中止2例を含む)であった。ALT値の正常化(30 IU/L以下)は、治療開始6ヶ月目/終了時/終了6ヶ月目は、それぞれ0例/2例/3例であった。HBeAg陰性化は、治療開始6ヶ月目/終了時/終了6ヶ月目は、それぞれ0例/1例/2例であった。HBV DNA量(4 log copies/mL未満) は、治療開始6ヶ月目/終了時/終了6ヶ月目は、それぞれ3例/4例/3例であった。副作用として、発熱、倦怠感、血小板減少を認めるも治療継続は可能であった。【結論】B型慢性肝炎に対するPEG-IFNα2aの投与により、 ALT値の正常化、HBV DNA量の低下する症例を認めた。B型慢性肝炎に対するPEG-IFNα2a治療は有用であると考えられた。
索引用語 B型肝炎, インターフェロン