セッション情報 ワークショップ15(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

総胆管結石症に対する治療法の選択と長期成績 (EST:内視鏡的治療 vs LCBDE:腹腔鏡下手術)

タイトル 内W15-10追:

困難結石に対する経口胆道鏡下砕石の長期成績と再発の危険因子

演者 杉山 晴俊(千葉大・消化器内科)
共同演者 露口 利夫(千葉大・消化器内科), 横須賀 收(千葉大・消化器内科)
抄録 【目的】内視鏡的乳頭切開術・内視鏡的胆道砕石術に代表される胆管結石の内視鏡治療は確立された方法であるが、中には治療困難な症例が存在する。こうした困難結石の治療に対する経口胆道鏡下砕石術の長期成績を示し、再発に関する危険因子を統計学的に検討する。【方法】1998年7月から2011年3月までに当院で経口胆道鏡下に治療を行ったミリッチ症候群を含む困難結石150症例について、retrospectiveに検討した。男女比は77:73、平均年齢は66.2歳(22-92)であった。症例の内訳は、ミリッチ症候群(Type2)58例、嵌頓結石65例、巨大結石27例であった。経口胆道鏡は内視鏡的乳頭切開術を事前に行った上で 親子方式で行い、治療として電気水圧衝撃波結石破砕術もしくはレーザー砕石術を行った。【成績】砕石の成功率は95.3%(143/150)であった。成功した143人のうち132人において十分なフォローアップがなされ、その平均観察期間は5.1年。再発率は16.7%(22/132)であった。初回治療後の経過観察中に胆のう摘出術を行った症例は14例。結石の再発を来した症例のうち、胆管炎で死亡した症例は胆道鏡下砕石術の7年後に2次性の胆汁性肝硬変を来した1症例のみであった。年齢、結石径、結石数、胆管径、胆嚢の有無、治療回数、胆道気腫の有無、結石の分類についてCox回帰分析を行った結果、結石の再発の危険因子として胆管径(≧20mm)が挙げられた。【結論】困難結石に対する経口胆道鏡下砕石術は長期的に見て安全である。胆管拡張を伴う症例については、より慎重な経過観察が望まれる。
索引用語 胆管結石, 経口胆道鏡