セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専64:

術前に診断し得た膵神経内分泌腫瘍(pNET)の1例

演者 田嶋 健秀(産業医科大学第一外科学)
共同演者 秋山 泰樹(産業医科大学第一外科学), 森 泰寿(産業医科大学第一外科学), 佐藤 典宏(産業医科大学第一外科学), 山口 幸二(産業医科大学第一外科学)
抄録 症例は42歳、女性。2012年11月14日嘔気と下痢を自覚され近医受診したところ触診にて腹部腫瘤を触知された。腹部エコーにて膵頭部に腫瘍性病変を指摘され当院紹介受診。上腹部に卵円形で弾性硬な腫瘤を触知。血液検査ではCEAが12.2と高値であった。腹部USにて膵頭部に61×50×42mm大の内部均一なhigh echoic lesionがあり主膵管の拡張はなかった。腹部CTでは膵頭部に径5cm大の緩徐に造影される腫瘤性病変があった。内部は不均一で嚢胞様構造を認め、周囲血管は圧排されているが、明らかな浸潤所見はなかった。EUSでは内部に最大11mmの大小嚢胞が集簇する40×50mm大の腫瘤性病変を認めた。膵実質はEUS-FNA施行したところ血液が混在する黄褐色の液体を吸引した。細胞診の結果pNETが疑われる所見であった。pNETと診断し。幽門輪温存膵頭十二指腸切除術施行。術後経過は概ね良好であり術後28日目に退院となった。術後診断はpNET(Grade1)であった。現在術後2ヶ月無再発生存中である。今回我々は術前に診断し得たpNETの1例を経験したため若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 膵神経内分泌腫瘍, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術