セッション情報 一般演題(公募)

タイトル 066:

Telaprevir3剤併用療法中に急性膵炎を発症した1例

演者 正 宏樹(大分大学医学部消化器内科)
共同演者 本田 浩一(大分大学医学部消化器内科), 岩尾 正雄(大分大学医学部消化器内科), 所 征範(大分大学医学部消化器内科), 吉原 光江(大分大学医学部消化器内科), 西村 順子(大分大学医学部消化器内科), 遠藤 美月(大分大学医学部消化器内科), 織部 淳哉(大分大学医学部消化器内科), 小川 竜(大分大学医学部消化器内科), 清家 正隆(大分大学医学部消化器内科), 村上 和成(大分大学医学部消化器内科)
抄録 症例:44歳男性  主訴:心窩部痛 現病歴:5歳の時に交通事故で頭部外傷を受傷し多量に輸血を受けた。社会人になってからは会社の健診は毎年受けており、2001年頃から肝障害を指摘されていたが治療は行わず経過観察していた。2011年心窩部痛のため近医を受診しGISを施行された際の採血でC型慢性肝炎と指摘され、当院での治療を勧められて同年1月に当院に初診となった。2012年8月からPeg-IFNα2b 100μg+テラプレビル2250mg+リバビリン800mgで3剤併用療法を開始された。同年10月X日に午前中から心窩部にさしこむような疼痛が出現したため、夕方に当科外来を受診し緊急入院となった。既往歴:特記事項なし、飲酒歴:機会飲酒、入院時現症:体温36.8℃、血圧107/65mmHg、 脈拍73回/分、腹部:平坦、軟、心窩部に圧痛あり、筋性防御なし。血液検査ではWBC:4480μL、Neut:80.6%、AMY:899IU/L、Lipase:676IU/L、CRP:0.1mg/dLであった。CTでは膵体部の嚢胞性病変は以前と著変なく、壁在結節を認めなかった。造影不領域は膵尾部の1区域のみで、炎症の膵外進展度は左前腎傍腔であった。主膵管の拡張は以前と同程度で、明らかな閉塞起点を認めなかった。以上より急性膵炎の診断で重症度判定は軽症であった。3剤併用療法を中止しメシル酸ガベキセート60mg/日とSBT/CPZ合剤2g/日で治療を開始した。治療開始後4日程で症状は改善を認め、本人の強い希望があったため9日後からPegIFNα2b+RBVによる治療を再開した。治療再開後は膵炎を再発することなくIFN治療を終了した。結語:IFN+RBV+Telaprevir3剤併用療法中に頻度は低いが急性膵炎を合併する可能性があり注意して診療にあたる必要がある。
索引用語 テラプレビル, 急性膵炎