セッション情報 |
一般演題(公募)
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タイトル |
124:脱落した胆管ステントによりS状結腸穿孔を起こした1例
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演者 |
有留 玄太郎(九州労災病院門司メディカルセンターDELIMITER産業医科大学第三内科学) |
共同演者 |
林 海輝(九州労災病院門司メディカルセンターDELIMITER産業医科大学第三内科学), 太幡 敬洋(九州労災病院門司メディカルセンター), 山崎 雅弘(九州労災病院門司メディカルセンターDELIMITER産業医科大学第三内科学), 原田 大(産業医科大学第三内科学) |
抄録 |
症例は87歳男性。2012年11月に総胆管結石による閉塞性黄疸のため入院となった。第2病日にERCPを施行したところ、総胆管内に10mm前後の結石が多数充満していたため、胆管ステント(7Fr 7cm, ストレート型)を挿入して減黄術を開始した。総胆管結石は減黄後に総胆管切開切石術による治療を予定していたが、ステント留置後27日目に腹痛が出現した。血液検査で黄疸と炎症反応上昇を認め、腹部レントゲンにて胆管ステントの脱落があり、閉塞性黄疸および胆管炎の再発と考えた。同日、胆管ステント(7.2Fr 11cm, 両端ピッグテール型)を再挿入したが、ERCP6時間後より発熱、左下腹部痛を認めた。腹部CTでみると脱落したステントはS状結腸にあり、口側のステント先端が後腹膜に穿破していた。結腸穿孔による腹膜炎が疑われ、緊急手術となった。S状結腸には憩室が多数みられ、ステントは両端とも異なる憩室にはまり込み、口側の憩室より穿孔をきたしていた。両方の憩室を切離し、S状結腸穿孔閉鎖術が施行された。脱落した胆管ステントはほとんどが便とともに自然排泄され、それによる穿孔は極めて稀である。本症例のような多発憩室のある場合は脱落したステントによる消化管穿孔の危険性があり、慎重な経過観察が必要である。 |
索引用語 |
胆管ステント, 消化管穿孔 |