セッション情報 一般演題(公募)

タイトル 126:

膵胆管合流異常に合併した胆嚢全体癌の一例

演者 立石 昌樹(九州医療センター 肝胆膵外科)
共同演者 高見 裕子(九州医療センター 肝胆膵外科), 龍 知記(九州医療センター 肝胆膵外科), 和田 幸之(九州医療センター 肝胆膵外科), 才津 秀樹(九州医療センター 肝胆膵外科), 境 昌宏(同 放射線科), 安森 宏太郎(同 放射線科), 桃崎 征也(同 病理)
抄録 胆嚢壁全体が癌化、このうち胆嚢管・胆嚢頸部の病変が総胆管を圧排し、術前には胆管リンパ節転移や腫瘍の総胆管直接浸潤などが考えらえた胆嚢癌を経験したので、報告する。症例は76歳女性。約2か月前から右下腹部に無痛性の腫瘤を自覚。3キロの体重減少も認め精査した結果、胆嚢癌疑いにて当科紹介となった。来院時の血液生化学検査上、肝胆道系酵素に上昇なし。腫瘍マーカーはCA19-9が83IU/mlと軽度上昇するもCEA,DUPAN-2,Span-1正常。腹部超音波検査、CT、MRCPにて胆嚢頸部に20mm大の隆起性病変(乏血性)、また中部胆管近傍にも28mm大の腫瘍を認めた。これらには連続性があるようにも見え、リンパ節転移あるいは腫瘍の直接浸潤が疑われた。いずれもDWIにて高信号。中部胆管は狭窄。胆嚢は緊満。また胆嚢壁全体に数mm大の隆起性病変を無数に認めた。この小隆起性病変もDWIにて等~高信号を呈し、悪性が疑われた。ERCPにて主膵管は乳頭から約17mm上方の下部胆管から分枝しており膵胆管合流異常と診断。中部胆管に18mm長の狭窄部位あるも、壁は全体に整で外部からの圧排が考えらえた。狭窄部位に7Fr-stentを留置。以上より膵胆管合流異常に合併した胆嚢頸部あるいは胆嚢管を首座とする胆嚢癌と診断。肝床部切除合併肝外胆管切除・肝管空腸吻合術を施行した。切除標本にて胆嚢管内が隆起性病により充満し、また胆嚢壁全体が小隆起性病変に裏うちされるような状態で、いわゆる胆嚢全体癌の状態。病理所見は高分化型管状腺癌, pT1N1M(-),pStagII,CGnbfBm,乳頭膨脹型であった。
索引用語 膵胆管合流異常, 胆のう全体癌