セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研45:

膵体部癌術後8年6か月目に発症した残膵の膵頭部癌の一例

演者 三宅 淳(九州医療センター 肝胆膵外科)
共同演者 高見 裕子(九州医療センター 肝胆膵外科), 龍 知記(九州医療センター 肝胆膵外科), 和田 幸之(九州医療センター 肝胆膵外科), 才津 秀樹(九州医療センター 肝胆膵外科), 境 昌宏(同 放射線科), 安森 宏太郎(同 放射線科), 中山 吉福(同 病理)
抄録 膵体部癌に対して、脾臓合併膵体尾部切除術を施行した術後8年6か月目に残膵の膵頭部に新たに膵癌を発症した一例を経験したので報告する。症例は83才、男性。2004年7月に糖尿病のコントロールが困難となり、精査の結果、膵体部に2cmの腫瘍を認め、同年9月、脾臓合併膵体尾部切除術を施行した。病理組織はIntraductal papillary-mucinous adenocarcinoma (IPMC).medullaly type, INGα, ly0, v0, ne0,  pT2pN0sM0, fStageII.術後、外来にて定期的に経過観察していたが、2013年2月の外来受診の際、CA19-9が前値(2012年9月)41IU/mlから69241IU/mlと急激に上昇していた。そこで、再発を疑い同日、緊急CTを施行したところ、膵頭部に27mmの境界不明瞭な乏血性腫瘤を認め、残膵の膵頭部に新たな膵癌が発生したものと考えらえ、手術目的に当科入院となった。なお、既往歴として、1994年洞不全症候群に対してペースメーカー植え込み術、1999年から糖尿病あり。飲酒、喫煙なし。2013年2月、残膵全摘・胆管空調吻合術を施行した。病理組織はInvasive ductal carcinoma, poorly differentiated type. Infiltraive type, int, INFβ, mpd-, ly1, v2, ne2, pT3,pN0, sM0, fStage III。膵癌術後、残膵に再発する症例は非常にまれである。特に、膵頭部癌に対する膵頭十二指腸切除後の残膵再発例の膵全摘施行例は散見されるが、本症例のように膵体尾部切除後の残膵再発,膵全摘例の報告は調べた限りでは4例のみであったので報告した。
索引用語 残膵癌, 膵全摘