セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専06:

MF療法が奏功した胃癌骨髄癌腫症の一例

演者 川平 正博(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 有馬 志穂(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 原口 尚士(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香苗(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香織(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 佐々木 文郷(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 上村 修司(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 田口 宏樹(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 直子(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 沼田 政嗣(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 藤田  浩(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【症例】20歳代の女性、2013年1月、微熱、紫斑、腰痛が出現したため整形外科を受診し、椎間板ヘルニア疑いと診断された。その後鼻出血、紫斑の増大と出血傾向が出現したため、近医血液内科を受診した。血液検査でDICを伴うleukoerythroblastosisを認め、骨髄穿刺でdry tapであったことから骨髄癌腫症が疑われた。CT、MRIで有意な所見は無く、原発不明であった。更なる精査加療目的で当院血液・膠原病内科に入院となった。骨髄生検でadenocarcinomaの骨髄転移と診断された。原発巣精査目的で当科を受診し、上部消化管内視鏡検査で、胃体下部小彎から前庭部小彎にかけて不整な潰瘍性病変を認め、生検でGroup5、未分化型腺癌であった。下部消化管に原発巣となりうる病変はなく胃癌による骨髄癌腫症と診断され、加療目的で当科転科となった。DICを併発した進行胃癌 cT4N2M1(LYM,MAR,OSS,P1),cStageIVと診断し、化学療法を施行することとした。PS:2と全身状態が不良であり、DICを来していることから約65% doseでMF療法(MTX+5-FU)を施行した。有害事象は認めず,以後,適宜血小板輸血や濃厚赤血球輸血を行いながら4コース施行した。4コース施行後の造影CT検査では、原発巣、リンパ節転移巣は縮小傾向であった。血液検査ではPlt9.6万/μl、DIC診断基準3点とDICは改善した。 5コース目以降はPS:0-1と全身状態も良好でDICも改善していたため、100% doseでMF療法を施行し、以後は外来にて化学療法を継続し経過良好である。【まとめ】骨髄癌腫症は癌細胞が骨髄内に多発性に広範囲に転移し,骨髄組織が腫瘍細胞に置換された状態である。骨髄癌腫症は胃癌の約1-2%に合併し予後は不良である。今回我々は化学療法が奏功した胃癌骨髄癌腫症の一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胃癌, 化学療法