セッション情報 シンポジウム5「ウイルス性肝炎の最近の治療」

タイトル S5-04:

当院におけるテラプレビル併用PegIFN+RBV療法の治療成績

演者 永田 賢治(宮崎大学医学部附属病院肝疾患センター)
共同演者 蓮池 悟(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 山田 優理(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 大園 芳範(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 土持 舞衣(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 中村 憲一(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 白土 明美(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 岩切 久芳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 安倍 弘生(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 三池 忠(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 末田 光恵(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 山本 章二朗(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学), 下田 和哉(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学)
抄録 【目的】C型慢性肝炎1型高ウイルス量症例に対する、テラプレビル(TVR)併用PegIFN+RBV療法(3剤併用療法)の有用性について検討した。【方法】対象は2012年2月から12月までに当科にて3剤併用療法を導入し、12週以上経過のおえた28例。HCV-RNA量の推移、副作用について検討した。【成績】1)患者背景:年齢中央値61歳、男/女=13/15例、初回/再治療=10/18例、再燃/無効/不明=9/5/4例、IL28B rs8099917 TT/ TG=23/5例、Core aa70置換wild/mutant=23/5例、ITPA rs1127354 CC/CA=23/7例、HCV-RNA中央値6.5logIU/ml、Hb中央値13.8g/dl、Plt中央値14.2万/μl、肝生検F1/F2/F3/F4=10/10/6/1例(1例未施行)。TVRとRBVは熊田らの減量基準案を参考にし、Hb値や性別にて減量し開始した。TVRの開始量は1500/2250mg=14/14例。2)ウイルス陰性化率: RVRは89.3(25/28)%、EVRは100%(27/27)であった。SVR4、SVR12はいずれも100%(18/18、15/15)であり、良好な結果であった。 3)副作用:治療中断は3例で、原因は精神症状(2例)、敗血症(1例)であった。治療開始後11例(39.3%)でTVRを減量され、RBVを25例(89.3%)で減量された。TVR減量の原因は貧血(5例)、皮疹(3例)、腎障害(1例)、高尿酸血症(1例)、精神症状(1例)であった。Hbの最大低下量は、1500mg群が平均3.73g/dl、2250mg群が平均4.96g/dlと、2250mg群の方が有意に低下した。腎障害に関してはCre上昇は全例に認めたが、有意な因子は認めなかった。尿酸は最高値が1500mg群で平均8.27mg/dl、2250mg群で平均9.16mg/dlであり、2250mg群の方が有意に高かった。皮疹は17例(63%)に認め、Grade 1/2の比率はTVR1500mgで5/3例、2250mgで3/6例であった。加療としては抗アレルギー薬内服、ステロイド外用を行い、Grade2でステロイドの内服まで行ったのは1500mg/2250mg=1/4例であった。【結論】テラプレビル3剤併用療法では、早期より高い抗ウイルス効果が得られるが、貧血、腎障害、皮膚障害などの副作用が高率に認められ、治療早期からの注意深い観察と適切な管理が必要と考えられた。
索引用語 テラプレビル, C型慢性肝炎