セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年迄)
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タイトル |
専08:肛門管より離れたsqamous cell carcinoma with basaloid featureの一例
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演者 |
中野 佳余子(原三信病院消化器科) |
共同演者 |
西嶋 健一(原三信病院消化器科), 府川 恭子(原三信病院消化器科), 山田 隆史(原三信病院消化器科), 茶圓 智人(原三信病院消化器科), 兼城 三由紀(原三信病院消化器科), 中村 典資(原三信病院消化器科), 松坂 浩史(原三信病院消化器科), 野口 賢一(原三信病院消化器科), 永瀬 章二(原三信病院消化器科), 当間 宏樹(原三信病院外科), 河野 眞司(原三信病院臨床病理科), 千々岩 芳春(原三信病院消化器科) |
抄録 |
症例は83歳女性.2012年7月に排便困難感を主訴に前医を受診し,直腸に4cm大の腫瘍を認め,精査目的に9月11日に当院紹介となった.上部消化管内視鏡検査では肛門縁より5cm,直腸Ra後壁から左側壁にかけて,2/3周に渡る粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.中央に白苔に覆われた潰瘍があり,同部位に腫瘍の露出を認めた.EUSでは第4層に連続する低エコー腫瘤として描出され,生検診断はsquamous cell carcinomaだった.造影CT検査では直腸左側壁に6cm大の早期に濃染される,形状不整で一部境界不明瞭な腫瘍を認めた.左鼡径リンパ節の腫腫を認めたが,腹痛・腹部膨満感の症状緩和目的で9月24日にハルトマン手術+左鼡径リンパ節生検が施行された.最終病理診断はSquamous cell carcinoma with basaloid feature, pAI(骨盤壁), INFb, int, ly1, v1, pDM0 (5mm), pPM0 (16cm), pRM1だった.肛門管は肛門縁から恥骨直腸筋下縁までの部位を示し,扁平上皮・直腸側の腺上皮・その間の移行上皮が交じり合う部位で,多様な癌が発生する.今回提示するsquamous cell carcinoma with basaloid featureは主にこのうちの移行上皮から発生するとされる.歯状線から1cm以上の距離をもって生じる,いわゆるbasaloid carcinomahaは稀な疾患であり,若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 |
直腸腫瘍, basaloid carcinoma |