セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専71:再燃した潰瘍性大腸炎合併2型自己免疫性膵炎の1例 |
演者 | 池園 剛(福岡大学筑紫病院消化器内科) |
共同演者 | 植木 敏晴(福岡大学筑紫病院消化器内科), 吉澤 直之(福岡大学筑紫病院消化器内科), 丸尾 達(福岡大学筑紫病院消化器内科), 松村 圭一郎(福岡大学筑紫病院消化器内科), 簑田 竜平(福岡大学筑紫病院消化器内科), 大塚 雄一郎(福岡大学筑紫病院消化器内科), 野間 栄次郎(福岡大学筑紫病院消化器内科), 光安 智子(福岡大学筑紫病院消化器内科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院消化器内科) |
抄録 | 症例は10代女性。平成22年に左側結腸炎型潰瘍性大腸炎(UC)と診断された。平成24年4月頃より腹痛、血便、下痢が増悪したため、Azathioprine25mgの内服を開始したが1ヶ月後に、背部痛が出現しAmylase 496U/L、Lipase 1029U/Lと上昇。腹部造影CTで膵はびまん性に腫大し、尾部は造影効果不良で、急性膵炎の診断で入院となった。Azathioprineによる薬剤性膵炎が疑われたためAzathioprineを中止し、UCの治療としてはMesalazine2400mg/day+Betamethasone sodium phosphate 3mgからMesalazine4000mg+Beclomethasone dipropionate 10gに変更した。絶食、抗生剤、大量輸液で軽快したが、14日後に再度背部痛が出現した。造影超音波検査では、血管相早期で膵尾部に網目状のエコーを認めた。ERPでは頭体部の主膵管は軽度壁不整を認め、膵尾部の膵管は狭細化していた。膵尾部からのEUS下FNABでGranulocyte epithelial lesionを認め、Type2 AIPと診断した。Camostat mesilate 600mg/dayの内服を開始した。その後症状は改善したが、退院後10日目に背部痛と心窩部痛が出現。Amylase 200 U/Lと上昇を認めた。USでは膵頭部が腫大していた。Dynamic-CTでは腫大した膵頭部は後期相で造影効果があり、MRCPでは膵尾部主膵管の狭窄は改善していたが、膵頭部主膵管は狭窄を認め、AIPの再燃と診断した。血便、便回数の増加がありSigmoidoscopyではUCの増悪を認めたためPSL 20mg/dayを開始した。2型AIPは再燃率が低いと言われているが、本例はUCの活動性と相関し再燃した。文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 2型自己免疫性膵炎 |