セッション情報 | シンポジウム1「代謝性肝疾患の現状と問題点」 |
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タイトル | S1-05:肝硬変患者の平均血糖推定式および補正HbA1c算出式の作成 ―CGMSを用いた肝硬変患者の糖代謝に関する検討― |
演者 | 井手 康史(佐賀大学肝臓・糖尿病・内分泌内科) |
共同演者 | 磯田 広史(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科), 小平 俊一(佐賀大学肝臓・糖尿病・内分泌内科), 蒲池 紗央里(佐賀大学肝臓・糖尿病・内分泌内科), 中下 俊哉(佐賀大学肝臓・糖尿病・内分泌内科), 大枝 敏(佐賀大学 肝疾患医療支援学講座), 河口 康典(佐賀大学 肝疾患医療支援学講座), 江口 有一郎(佐賀大学 肝疾患医療支援学講座), 尾崎 岩太(佐賀大学 保健管理センター), 水田 敏彦(佐賀大学肝臓・糖尿病・内分泌内科), 安西 慶三(佐賀大学肝臓・糖尿病・内分泌内科) |
抄録 | 【背景】肝硬変患者の多くは糖代謝異常を有している.肝硬変にみられる空腹時低血糖は蛋白異化を促進し,高血糖は発癌へ関与する可能性が示唆されている。糖尿病は肝硬変患者の予後不良因子であることが報告されており、厳格な血糖コントロールが望まれる.しかし肝硬変患者においては,一般的に糖尿病のマーカーとして用いられるHbA1cやグリコアルブミン(GA)は脾機能亢進や蛋白合成能低下などのために平均血糖を正確に反映しないことが多く,糖尿病治療を行う上での妨げとなっている.今回我々は持続血糖測定装置(CGMS)を用いて肝硬変患者の糖代謝解析を行い、平均血糖推定式作成を試みた。また、これを元に日常診療に利用可能な“真のHbA1c”といえる補正HbA1c算出式の作成を試みた. 【方法】対象は肝硬変患者27名.男性13名,平均年齢68.7歳(35-84歳),病因はB型2例,C型17例,アルコール性2例,NASH5例,その他1例であり,Child-Pugh Aが14例,Bが11例.CGMS system Gold(Medtronic社)を5日間装着して日内血糖変動の評価を行い,平均血糖に関連する肝予備能マーカーを検索した。 【結果】HbA1c(NGSP)は6.2%未満が21例,6.2-6.8%が2例,6.9%以上が4例であった.CGMSで得られた平均血糖とHbA1c・GAはいずれも正の相関を認めた(HbA1c; r=0.411, GA; r=0.675).血清アルブミン値と平均血糖には低い負の相関(r=-0.271)がみられ,Child-Pugh scoreが上がると平均血糖が上昇する傾向にあった.肝予備能マーカーと糖代謝マーカーからstepwise regression法を用いてCGMSで得られた平均血糖推定式を作成し(平均血糖=219.3+19.7×HbA1c-8.55×Hb-24.15×Alb),これをもとに補正HbA1c算出式を作成した(補正HbA1c(NGSP) =9.1+0.673×HbA1c(NGSP) -0.298×Hb-0.841×Alb). 【考察】肝予備能を考慮した補正HbA1cを用いることで肝硬変患者の糖代謝異常をより正確に評価することが可能となり,血糖コントロールに有用であると考えられた. |
索引用語 | 糖代謝, CGMS |