セッション情報 専修医発表(卒後3-5年迄)

タイトル 専34:

虫垂憩室炎の穿孔の1例

演者 古賀 敦大(産業医科大学 医学部 消化器・内分泌外科)
共同演者 皆川 紀剛(産業医科大学 医学部 消化器・内分泌外科), 柴尾 和徳(産業医科大学 医学部 消化器・内分泌外科), 山口 幸二(産業医科大学 医学部 消化器・内分泌外科)
抄録 【はじめに】虫垂憩室症は比較的稀な疾患であるが、虫垂憩室炎の穿孔の1例を経験した。【症例】84歳、女性。数日前からの腹部違和感、便秘のため、前医を受診したが、経過観察となっていた。その後も症状持続するため、精査加療目的に当科を紹介受診した。CTで15mm大の虫垂腫大を認め、急性虫垂炎の診断で同日緊急手術を施行した。【手術・術後経過】臍に25mmの縦切開を置き、単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を予定した。虫垂は全体的に硬く腫大しており、盲腸、回腸末端も軽度浮腫性変化を認め、炎症の波及が考えられた。虫垂動脈を処理し虫垂根部で自動縫合器を用い、虫垂を切除した。右側腹部よりドレーンを挿入し、閉創した。摘出標本は漿膜面の炎症に比べ粘膜は比較的保たれており、また、腸間膜側に憩室を2個認めた。病理検査では虫垂憩室炎の穿孔と診断された。【まとめ】虫垂憩室症は欧米では多くの報告例があるが、本邦では虫垂切除症例の1%前後とされており、比較的稀な疾患である。今回、虫垂憩室炎の穿孔例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 虫垂憩室症, 穿孔