セッション情報 シンポジウム5「ウイルス性肝炎の最近の治療」

タイトル S5-03:

PEG-IFN+RBVの2剤治療で治癒可能な症例の選別とBCAAの併用効果について

演者 岩根 紳治(佐賀大学)
共同演者 小平 俊一(佐賀大学), 蒲池 紗央里(佐賀大学), 岡田 倫明(佐賀大学), 磯田 広史(佐賀大学), 大枝 敏(佐賀大学), 中下 俊哉(佐賀大学), 河口 康典(佐賀大学), 江口 有一郎(佐賀大学), 尾崎 岩太(佐賀大学), 水田 敏彦(佐賀大学)
抄録 【背景】難治性C型慢性肝炎(rCHC)に対してはDAA治療が主流であるが、強い副作用が懸念されるため、従来のPEG-IFN+RBVでの2剤治療において治癒可能な症例の選別は重要である。インスリン抵抗性(IR)はIFN抵抗性の因子であり、2剤で治癒が可能な治療選択の要因となりうるかを検討した。またIR改善作用やIFNシグナル増強効果を有するとされるBCAAを併用し2剤治療の抗ウイルス効果に与える影響を検討した。【方法】(1)rCHCで48週間以上の2剤治療を行った197例(男性94例、年齢56.2)で、ROC解析によりSVRを識別するHOMA-IR cut-off値を求め、多変量解析にてSVRに寄与する因子を検討した。(2)HOMA-IR>2.0の10例に対しリーバクト顆粒®2包/日を初期12週間PEG-IFN+RBVに併用し、抗ウイルス効果を検討した。【結果】(1)HOMA-IR cut-off値1.56でSVR予測感度60.6%、特異度61.4%、陽性的中率66.0%であった。多変量解析では55歳未満(OR:2.46, p=0.014)、F stage 0,1(OR:2.73 , p=0.003)、HOMA-IR<1.56(OR:2.06, p=0.040)が有意な因子であり、3因子をすべて満たす症例ではSVR率が88.6%であった。(2)BCAA併用例でのRNA陰性化率は4週目22.2%、8週目55.6%、12週目88.9%であり、SVRは77.8%(7/9)であった。【結語】2剤治療で治癒可能な症例の選別は年齢、線維化、IRを評価することによりある程度可能である。3剤併用治療が困難なrCHCに対する治療選択として、BCAAを併用した2剤療法はそのひとつとなりうる可能性がある。
索引用語 C型慢性肝炎, インターフェロン