セッション情報 | ワークショップ4「炎症性腸疾患 最近の治療」 |
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タイトル | WS4-07:クローン病治療におけるadalimumab長期寛解維持効果と2次無効症例の検討 |
演者 | 卜部 繁俊(長崎大学病院消化器内科) |
共同演者 | 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 福田 浩子(長崎大学病院消化器内科), 橋口 慶一(長崎大学病院消化器内科), 庄司 寛之(長崎大学病院消化器内科), 南 ひとみ(長崎大学病院消化器内科), 松島 加代子(長崎大学病院消化器内科), 赤澤 祐子(長崎大学病院消化器内科), 塩澤 健(長崎大学病院消化器内科), 山口 直之(長崎大学病院消化器内科), 大仁田 賢(長崎大学病院消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科), 山尾 拓史(佐世保市立総合病院消化器内科), 小田 英俊(佐世保中央病院消化器内科), 西山 仁(長崎医療センター), 山川 正規(長崎成人病センター), 牧山 和也(春回会 井上病院) |
抄録 | 目的:本邦のクローン病患者におけるadalimumab(ADA)の短期有効性、安全性はすでに多く報告されているが、中長期的な寛解維持効果や2次無効症例に関する検討は少ない。今回我々は、長崎大学病院とその関連施設でのADA投与クローン病患者におけるその長期効果および2次無効症例について検討した。対象と方法:1.長期寛解維持効果について、2010年11月から2012年2月までにADAを導入し1年以上の観察が可能であったクローン病患者48例、2年以上経過観察可能であった26例を対象とした。これらの症例に関してCDAI、CRPの経過及び寛解(CDAI<150)維持率を検討した。2.1次無効症例を除き、臨床的再燃のため新たな治療を必要とした症例を2次無効症例と定義しその臨床的特徴を検討した。さらに各因子別の非再燃率をカプランマイヤー法にて比較検討した。結果:1.1年以上経過症例(n=48)の寛解維持率は、26週で70%、52週で58.7%であった。2年以上経過症例(n=26)の寛解維持率は、26週60%、52週56%、78週52%、104週52%であった。2.1次無効症例や副作用中止症例等を除いた全45症例のうち2次無効は8例で認められた。このうち、生物学的製剤による前治療は、Infliximab(IFX)4例、ナイーブ症例4例であった。Azathioprine/6-mercaptopurine (IM)は全例で併用されていなかった。2次無効のため追加された治療は、ステロイド(4例)、栄養療法の強化(3例)、外科手術(3例)、IFX(1例)、IFX倍量再投与(1例)、IM(4例)、顆粒球除去療法(2例)であった。カプランマイヤー法によるIM併用群(n=12)と非併用群(n=33)との検討では、併用群の平均非再燃期間は837日、非併用群は655日であり、ログランク検定にて有意差は認められなかったものの(p=0.06)、併用群で非再燃期間が長い傾向が認められた。IFX既使用群(n=23)とナイーブ群(n=22)との比較では、非再燃期間に差は認められなかった。結論: 1.ADA長期投与症例においても寛解維持効果は良好に保たれていた。2.IM併用群にて非再燃期間が長い傾向が認められた。 |
索引用語 | アダリムマブ, 2次無効 |