セッション情報 一般演題

タイトル 071:

当院におけるC型慢性肝炎に対するPegIFN/Ribavirin/Telaprevir併用療法の治療成績

演者 出口 章広(公立八女総合病院肝臓内科)
共同演者 永松 洋明(公立八女総合病院肝臓内科), 森田 俊(公立八女総合病院肝臓内科), 堤 翼(公立八女総合病院肝臓内科), 平井 真吾(久留米大学消化器内科), 徳安 秀紀(公立八女総合病院肝臓内科), 城野 智毅(公立八女総合病院肝臓内科), 小野 典之(公立八女総合病院肝臓内科), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科)
抄録 [目的]今回我々は当院におけるC型慢性肝炎に対するPegIFN/Ribavirin/Telaprevir併用療法の治療成績について検討した。[対象と方法]2012年1月以降に当院で3剤併用療法を導入した症例を対象にその治療効果、副作用の発生頻度、重症度などについて検討した。なお治療効果については治療終了4週後のウイルス陰性化(SVR4)を検討した。副作用の検討は3剤併用療法導入後4週以上経過した49例を対象とし、TLVの用量別に比較した。[結果]治療終了した41例中3剤の投与を完遂できた症例は29例であり、完遂率は71%であった。治療終了後4週以上経過した37例全体のSVR4率は76%(28/37)であったが治療完遂症例におけるSVR4率は92%(23/25)と高率であった。前治療別に検討するとnaive/relapse/ non-responderで81%/82%/33%とnon-responderで有意に低かった。IL28B別ではTT/nonTTで93%/75%とnonTTでやや低い傾向が見られた。中止例について検討すると12例中5例が皮疹による中止であり、3例がdepression、2例が貧血による中止であった。これら10例はいずれもTLV内服期間中の中止であった。副作用に関してまず皮疹について検討すると皮疹を発症した症例は49例中29例59%であり、grade I 19例(66%)、grade II 6例(20%)、grade III 4例(14%)であった。grade IIIとなった4例はいずれも治療が中止されていた。TLV1500mg投与群(11例)と2250mg投与群(38例)にわけて検討したが皮疹に関しては両群間で重症度や発症頻度に差を認めなかった。貧血に関しては1500mg群ではHbが8以下に低下した症例は1例(9%)であったのに対して2250mg開始群では9例(24%)と高い傾向を認めた。またBUNが25以上に上昇した症例は1500mg群1例(9%)、2250mg群10例(27%)であり、Crが1.2以上に上昇した症例も1500mg群1例(9%)、2250mg群14例(38%)といずれも2250mg群で高い傾向を認めた。[結語]TLVを含む3剤併用療法では治療完遂すれば極めて高い効果が得られるが、副作用による中止例が問題であり、副作用のマネージメントが重要と考えられた。
索引用語 Telaprevir, C型慢性肝炎