セッション情報 一般演題

タイトル 058:

イレウスで発症した胃癌術後大腸転移の2例

演者 前田 仁美(霧島市立医師会医療センター 消化器内科)
共同演者 重田 浩一朗(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 相良 誠二(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 橋口 正史(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 杉田  浩(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 水上 京子(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 肱黒  薫(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 吉元 英之(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 長谷川 将(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 三阪 高春(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 児玉 和久(霧島市立医師会医療センター 消化器内科), 藤崎 邦夫(霧島市立医師会医療センター 消化器内科)
抄録 【症例1】60歳代男性.X-3年に幽門癌と診断され,幽門側胃切除術(B-I)を施行された.StageIIIbの診断で,TS-1内服を8ヶ月行うも,腎機能が悪化し中断され,その後は近医を定期受診していた.X年X月より腹痛と腹部膨満感が出現し,X+1月当院を受診し,イレウスと診断された.原因検索のために施行した下部消化管内視鏡検査(TCS)で,横行結腸に狭窄病変と下行結腸やS状結腸に腫瘍性病変を認め,生検結果はAdenocarcinomaであった.既往と発症様式より,胃癌大腸転移と判断し,X+1月に手術を施行した.胃癌の局所再発と横行結腸への直接浸潤と判断し,横行結腸切除術のみ施行した.【症例2】60歳代男性.Y-3年に胃癌と診断され,胃全摘,D2郭清手術を行った.病理診断はAdenocarcinoma with por2+sig,StageIIaであった.術後はTS-1内服を開始したが,好中球減少があり,中止し,近医を定期受診していた.Y年Y月腹痛出現し,当院を受診した.腹部超音波検査では小腸から上行結腸に拡張があり,肝弯曲にかけて粘膜下層の浮腫が著明であった.造影CT検査では上行結腸肝弯曲部~横行結腸に全周性の壁肥厚を認めた.絶食,抗生剤投与を行ったが,症状改善せず,TCSを施行した.横行結腸に狭窄を認めたが,生検結果はGroup1であり,FDG-PET検査でも異常集積は認めなかった.既往より,胃癌の腹膜播種も疑われ,Y+1月横行結腸切除術を施行した.病理結果はAdenocarcinomaであり,胃癌の腹膜播種と診断された.【結語】胃癌術後3年で胃癌大腸転移によりイレウスを発症した2例を経験した.症例2については術後の病理診断で初めて診断確定に至っており,術前診断に難渋した.胃癌の大腸転移の診断は難しい場合が多く,文献的考察を含めて報告する.
索引用語 転移性大腸癌, 胃癌