セッション情報 ワークショップ4「炎症性腸疾患 最近の治療」

タイトル WS4-06:

クローン病効果減弱症例に対するIFX10mg/kg増量の成績

演者 石田 哲也(大分赤十字病院消化器内科)
共同演者 上尾 哲也(大分赤十字病院消化器内科), 永松 秀康(大分赤十字病院消化器内科), 成田 竜一(大分赤十字病院消化器内科), 占部 正喜(大分赤十字病院消化器内科), 柳井 優香(大分赤十字病院消化器内科), 都甲 和美(大分赤十字病院消化器内科), 福田 昌英(大分赤十字病院消化器内科)
抄録 目的: 抗TNF-α抗体の出現によりクローン病患者の治療成績は飛躍的に向上したがその一方で効果減弱症例も増加してきた。それに対する治療法の1つとして抗TNF-α抗体の増量投与が為されている。今回当科における増量の治療成績をまとめたので報告する。対象と方法: 対象は2002年より2012年5月まで当科で治療したクローン病患者である。抗TNF-α抗体としてはinfliximab(IFX)を用いた。IFXを用いて維持療法中に効果減弱をきたし増量投与した症例である。効果減弱はIFX5mg/kgを8週間隔で投与中に他の治療を加えたと定義した。効果減弱した症例のうちIFX10mg/kgに増量し投与した症例の臨床効果をCDAIを用いて増量1年後に評価した。効果減弱に及ぼす因子と、増量後の有効性に及ぼす因子を検討した。結果: 効果減弱率:72%, 効果減弱した症例は罹病期間が長く手術の回数が多かった。増量後の寛解率):29%(6/21)、有効率(寛解+改善):58%(12/21)、有効群と無効群との間に有効性に影響を及ぼす因子を指摘することはできなかったが有効群はCRP上昇から効果減弱から増量までの期間が無効群に比して短い傾向であった。増量後副作用として帯状疱疹 1例を認めた結語: IFX投与中のクローン病患者を経過観察している時はCRP上昇や臨床症状の出現に注意し効果減弱を確認できれば、手術適応を見極めて、早期に増量することが必要と思われた。
索引用語 クローン病, インフリキシマブ