セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 080:FOLFOX、FOLFIRI不応大腸癌肝転移に対して肝動注化学療法が奏効した2症例 |
演者 | 佐々木 研輔(公立八女総合病院消化器内科) |
共同演者 | 永松 洋明(公立八女総合病院消化器内科), 森田 俊(公立八女総合病院消化器内科), 徳安 秀紀(公立八女総合病院消化器内科), 城野 智毅(公立八女総合病院消化器内科), 出口 章広(公立八女総合病院消化器内科), 小野 典之(公立八女総合病院消化器内科), 鳥村 拓司(久留米大学消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】今回、大腸癌原発の肝転移に対して、分子標的治療薬を併用した全身化学療法は不応となったが、肝動注療法が有効であった2例を経験したため報告する。【症例1 】43歳、女性。2010年12月より大腸癌肝転移リンパ節転移に対して全身化学療法としてmFOLFOX6を開始した。4クール施行後、効果判定ではSDであった。K ras変異を認め、2011年2月よりBV+FOLFIRIへ変更した。2011年7月造影CTにて肝転移巣はPDで腫瘍最大径は90mm、多発しておりH3の状態でCEAは441ng/mLと上昇した。肝内病変に対して特殊リザーバー留置後CDDP20mg+5FU1500mgの肝動注化学療法(HAIC)を開始し、全身化学療法と交互に行った。2011年12月、全身CTにて肺転移の出現認めたが、肝転移巣は縮小し、CEA22ng/mLと低下した。その後も治療は継続し31か月の生存が得られた。【症例2 】61歳男性。2011年10月、S状結腸癌肝転移(Kras変異株12・EGFR陽性)と診断され、同月よりBV+mFOLFOX6を開始した。効果がPDとなり、2012年2月よりFOLFIRI+BVへ変更した。同年11月まで継続したが、大腸内視鏡検査では原発巣はSD、BV+mFOLFOX6に戻すも、2回目にL-OHPによるアレルギー症状が出現した。同年12月にIRIS+BVへ変更となる。2013年2月のCTにて肺転移はSD、CEA:712ng/mL上昇し、肝転移巣は最大径50mmで多発しH3の状態となった。原発巣PRであり、肝転移巣治療目的にリザーバー留置後HAIC(CDDP+5-FU)併用を開始した。2013年6月の全身CTにて肺転移PR、肝転移PR、原発巣SD、CEA:37ng/mLと低下し2013年8月現在も治療を継続している。【まとめ】進行大腸癌に対する化学療法は、FOLFOXやFOLFIRIと、BVなど分子標的治療薬を併用するようになりMSTは23カ月とされている。しかし肝転移H3の状態では肝転移の制御が困難となることがありMSTは12カ月と不良である。今回H3の肝転移を含む進行大腸癌に対し、HAICが奏効し、全身化学療法との組み合わせで生存期間の延長を認めた。全身化学療法が不応な大腸癌肝転移に対してHAICが有効な可能性が示唆された。 |
索引用語 | 大腸癌肝転移, 肝動注化学療法 |