セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 095:Low dose FP肝動注療法が奏効した胆嚢癌肝転移の2症例 |
演者 | 平岡 裕樹(公立八女総合病院消化器内科) |
共同演者 | 永松 洋明(公立八女総合病院消化器内科), 森田 俊(公立八女総合病院消化器内科), 城野 智毅(公立八女総合病院消化器内科), 出口 章広(公立八女総合病院消化器内科), 小野 典之(公立八女総合病院消化器内科), 鳥村 拓司(久留米大学消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】現在、胆道癌に対する化学療法では、全身化学療法として、ゲムシタビンやTS-1、CDDPの有効性が報告されているが、胆嚢癌はそのなかでも成績は不良である。今回、切除不能胆嚢癌肝転移に対してlow dose FP肝動注療法(LFP)が奏効した2例を経験したので報告する。【症例1】73歳女性。2011年発症の胆嚢癌に対し、同年7月開腹胆のう摘出術施行+リンパ節廓清、肝外胆管切除、胆管空腸吻合術施行された。2012年6月に胆嚢癌肝転移が判明し、S-1内服治療開始するもPDのため、GEM800mg+S1へ変更された。しかし、味覚障害等の副作用が出現したため、2012年11月からはUFT内服とされた。効果はPDのため2012年12月治療目的に当院紹介となった。肝S4に55mmほか10mm大の腫瘍を多発して認めた。肝動脈リザーバーを留置し、LFP(CDDP:10mg/30min、5FU:250mg/180min)を10回施行した。その後2012年1月、3月、5月、同様に治療を行った。CT上、最大腫瘍径は27mmと縮小傾向を認めた。以後は外来にてCDDP:20mg+5FU:500mgをbi-weeklyで投与継続中である。【症例2 】64歳、女性。2013年5月に右季肋部痛で近医受診し、精査のため当院紹介され、画像上胆嚢癌肝転移、肝内腫瘍最大径は50mmで肝門部浸潤、肝両葉多発肝転移、リンパ節転移が存在し、StageIVと診断され外科手術不能であった。CEA:44ng/mL、CA19-9:1233U/mLと著明に上昇していた。腹痛の原因として肝内病変の急速な増大に伴うものが考えられ、肝内病変コントロール目的に2013年6月6日にリザーバーを留置、6月10日からLFP開始となった。LFPは10回施行したところで腹痛軽減、食事摂取も可能、退院となった。7月9日から同様にLFP10回施行した。7月22日の効果判定CTでは、肝内転移は著明に縮小し、CEA:32ng/mL、CA19-9:96と低下した。【まとめ】切除不能な肝転移を認める胆嚢癌は予後不良であり、有効な化学療法は確立しておらず、一般に長期予後は望めない。今回の症例ではLFPを施行し、副作用もなく、治療効果が得られている。肝転移を伴う胆嚢癌に対してLFPは有効な可能性があり、今後前向きな検討が必要である。 |
索引用語 | 胆嚢癌, 肝動注療法 |